2022.01.05 - 共生デザイン学科 淡野 哲 共生デザイン学科 淡野ゼミナールにおける成果や取り組みについて
淡野ゼミナールでは、デザインとアートを連関させた様々な課題を通じて、学生各々の潜在能力を引き出す取り組みを行っています。そこで今回のコラムでは、本ゼミにおけるこの1年間の取り組みや成果について、いくつかご紹介します。
日本マクドナルド、横浜市環境創造局との連携プロジェクトで『生物多様性』について考え、行動することを目的とした「マクドナルド トレイマットデザインコンテスト」(https://univ.kanto-gakuin.ac.jp/news/20211102-0001.html)は、本学科 佐々先生が主体となって実施されたプロジェクトの一環で、そのコンペティションになります。当該先生のゼミナールや担当授業の学生、又、淡野ゼミナールや二宮ゼミナールの学生も参加し実施されました。
私の専門分野はグラフィックやプロダクトといった、企画を具現化(表現や商品といったもの)するものですが、こうしたコンペティションにも積極的に参加し、ゼミ課題の一つとして取り組みます。こうしたデザインというと体裁を整えることに目が行きがちですが、本ゼミでは、こうした企画の意図、また、その目的を掘り下げることで見えてくる本質を突き詰め、どの様に表せば効果的に、また魅力的に自身が発するメッセージを他者に伝えることができるかを指導し、学生の考えを引き出した上で能動的に取り組める環境をつくります。
本コンペティションでは最優秀賞をはじめ4賞が設けられ、淡野ゼミの学生が最優秀賞を筆頭に、優秀賞の2賞を獲得しました。過去にもこうしたコンペティションでは各種入賞の成果をあげていますが、コンペティションにおいては結果を出すことも重要です。コンペティションの意味は「競技、競争」ですから成果を出すことで明確な自信が醸成されます。こうした経験は社会に出た後においても自信となりモチベーションの糧になります。
次に3年ゼミ生が現在取り組んでいる課題です。「関東学院大学開発の「ミラクルきなっこ」を含む有平糖を製造する(有)リキコーポレーションとのコラボレーション」という企画です。本企画は小田原を拠点とするメーカーと本学教授が開発した材料によって開発・製造された飴のパッケージデザインを淡野ゼミが取り組んでいるコラボレーション企画です。実際に市場に出るものですから、アイディアだけでできるものではありません。明記すべき必要事項や各種の許諾などを経て、デザインが成されます。学生にはアイディアを思いついた後、なぜそれらがデザインする上で必要かを問います。
デザインは単にかっこいい、とか、カワイイ、というだけで決まるのではなく、カタチ造られるそれぞれの要素がそこにあり、選んだ理由がなければなりません。本来デザインは仕事であり、その内容の対価(報酬)として、発注者への納得し得る出来栄えと共に、そのデザインとなった理由を説明できなければ報酬を得ることはできません。こうした取り組み(課題)は、デザインの技術を単に習得するだけではなく、その本質を見つめ考える大変良い学びの機会になります。
最後に紹介するのは、卒業研究の成果についてです。現在、卒業研究に取り組んでいる淡野ゼミの学生の一人は、地元である港街の地域活性として、以前は多く造られていた「大漁旗」をデザインし、その企画を中心として地域連携を模索した問題解決を卒業研究としています。一つのことから始まった本研究企画は、徐々に地域の人々を巻き込み、話題となり、多くの報道取材を受けることになりました。このように、メディアに取り上げられることで、より多くの人の耳目に触れ、提案で始まった事柄が、実際の成果として自分以外の多くの人々の利益(寄与)へと繋がっていきました。こうした積極的な取り組みによって、その熱意は多くの人への共感を生み、自分が想定していた以上の成果を生みました。卒業研究ではそうした成果をあげることもできるのです。
本学科に興味・関心をお持ちの読者の皆さんも、ぜひ本学科で学び、まだ実感していない自分自身の関心や能力を引き出しませんか。