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教員コラム

2013.04.11 - 共生デザイン学科  贈る言葉――2012年度共生デザイン学科卒業生に向けて

去る3月24日、第8期生の卒業生が旅立ってゆきました。いつになく早々と満開のときを迎えた桜の花に、別れをせかされるような思いを抱いた、切ない一日でした。

この日のために思いっきりおしゃれして、そして最後に思いっきりはじけた笑顔をカメラに向けた卒業生たち――。前途を祈って、お祝いの言葉を贈ります。

御卒業おめでとうございます。
このときをどんな思いで迎えられたことでしょう。

共生デザイン学科のこの4年間が、みなさん方にとって、どのようなものであったのか、わたしたちはこの後に及んでも気がかりです。聞くところによれば、本学科は「はいってみてよかった学科」ナンバーワンだそうです。昨年の卒業生がそう申しておりました。どういうアンケートの結果なのか、残念ながら詳細は知りません。期待した以上によかったのか、それともさほど期待もしていなかったけれど案外よかったのか、それもわかりません。いずれにせよ、「よかった!」と言っていただけるのはとてもうれしいことです。

わたしたちは、きょうを限りに、この4年間の教育に扉がおろされるとは思っておりません。それらが深みを増してゆくのは、まさにこれからなのですから。むしろ、そのことに期待を寄せています。みなさん方が学び、考えてきたことは簡単に申してしまえば、人間はかつてどう暮らしてきたのか、いまどう暮らしているのか、そして何が問題なのか、ならば、それをどう解決してゆけるのか、といったことであったからです。人間が生きてゆくための根源に触れてきたのです。

誰もが豊かでありたい、幸せでありたいと願っています。
社会もその実現に向かって、試行錯誤しながら、ともあれ動いています。みなさんも、人生のつぎのステージでそのときどきに取るべき姿勢を求められることになるでしょう。困ったときには、原点に立ち返りみつめ直してください。想像力をはたらかせ、さまざまな観点から考えてみてください。まだピンとこないかもしれませんが、その連続が「生きる」ということへの真摯な姿勢なのだと、わたしは思います。
これを、巣立ってゆくみなさんへの、はなむけの言葉とします。

山崎 稔惠(共生デザイン学科長)