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教員コラム

2010.12.23 - 共生デザイン学科  共生デザイン学科の学芸員課程—秋学期「博物館実習」レポート

今回は、本学では文学部比較文化学科と共生デザイン学科に置かれている学芸員課程の紹介と、その課程の科目である「博物館実習」において先月11月13日におこなった美術館見学会の模様をレポートいたします。

このコラムを読んでくださる高校生のみなさんに――「学芸員」とはひと言でいえば、博物館や美術館において学芸業務に携わる方のことで、専門職です。その活動は概ね、展覧会等の企画と実施、そのための研究と調査、作品や資料の収集と保存、教育と普及と言えましょう。
この学芸員の資格取得に関し博物館について規定する博物館法に、学芸員となるために必要な科目を開設し認可を受けた大学では、希望者がこれらの科目を履修することにより卒業時に学芸員資格の取得が可能となると明記されています。その課程が共生デザイン学科にも設置されています。

学芸員はその資格を持っていれば誰でもその任に就くことができるというような容易い職業ではありません。また大学での学芸員課程の履修にはそれなりの覚悟も要します。にもかかわらず、この課程を本学科に置く意義は、そこでの学習と体験を通して、アートやデザインの分野に限らずさまざまな場面で求められる運営・管理、そしてプロデュースを担う総合的なディレクション能力を培うきっかけになるだろうと考えるからです。

その課程の総仕上げともいうべきものに館務実習があります。本学では4年生になると「博物館実習」において、おもに神奈川県内の博物館や美術館の御助力と御尽力を得て実施しています。今年も本学科からは13名の学生がお世話になりました。
そこで秋学期は、発展課題として館務実習によって養われた眼や思考を確認することを目的に美術館見学会をおこなうことにしました。
訪れたのは、11月13日(土)、紅葉映える秋の箱根路、観光客で賑わう「箱根彫刻の森美術館」と「箱根仙石原ポーラ美術館」でした。

[箱根彫刻の森美術館]
[愉しく記念撮影]
[箱根仙石原ポーラ美術館]

以下は、学生たちがこの日の見学会のために準備した栞の表紙と見学の課題です。

[見学会しおり・表紙]

・ 観光地の美術館(その魅力と役割)
・ 美術館の取り組み(来場者を対象としてワークショップやその他のイベント企画など)
・ 作品展示における工夫と配慮
・ パンフレットのデザインとその内容
・ 来場者の属性(年齢や性別など)
・ その他(ギャラリートークを想定し、一点の作品について解説する)

この見学会記は、春学期の事前指導の内容や実習手帳とともに学生が各々一冊の報告書にまとめ、明年1月に提出される予定です。

山崎 稔惠(共生デザイン学科)