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教員コラム

2023.05.16 - コミュニケーション学科  長崎ちゃんぽんとSDGs ―知ることから深めることへ―

本年4月21日~23日、コミュニケーション・プロジェクト16のフィールドワーク第一弾として、プロジェクト8(施桂栄教授担当)との合同で実施しました。距離的に日本から中国に一番近い、また日中友好の縁深き長崎で、各プロジェクトは異なった視点から調査を行いました。コロナ禍にあり、中国での研修ができない状況が続き、学生たちからの提案でもあったプロジェクトが、今回やっと実現しました。
さて、既に社会の常識になりつつあるSDGsですが、言葉や内容をただ単に「知る」ことだけでは実際の行動に移すことは難しく、「深める」という過程が大切だと考えます。例えば、長崎といえば“ちゃんぽん”を思い浮かべますが、もう少し深めていくと「“ちゃんぽん”の由来は何か」、「“ちゃんぽん”にはなぜ多くの具材が入っているのか」、「そもそもなぜ“ちゃんぽん”はできたのか」などの疑問が浮かび上がります。こういった疑問からあるチームは“ちゃんぽん”を何度も食べながら調査しました。そしてこの過程で、“ちゃんぽん”はたくさんの具材が入った料理ですが、もともとは残った野菜やお肉などをうまく料理し、当時の経済的に困難な中国人留学生へ提供していたということを、現地の方に教えて頂いたようです。このことは視点を変えると、食品ロスを実現した料理でもあり、また日中友好の料理でもあるという答えを導き、発表会でプレゼンしました(写真1・図1)。またある学生は、長崎では路面電車が現存していることについて、その歴史についてSDGs11住み続けられるまちつくりとの関係から調査し発表しましました(図2)。
今回は、長崎をフィールドワークに、日中文化、日中友好の歴史を切り口にして、環境・貧困・教育問題など、世界に存在する様々な問題に関心を持つきっかけになったと思います。

“できないこと”より“できること”に目を向けながら、“できること”の積み重ねによって、答えの出ていない課題に挑戦しながら、どのような視点から解決へと導けるのかを探求する力が鍛えられるプロジェクト。
フィールドワークの第二陣はいよいよ5月11日~13日となりました。学生の新たなる視点からの発信を心待ちにしています!