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教員コラム

2026.06.10 - コミュニケーション学科  閩南師範大学との連携プロジェクト(その2): ―中国閩南文化についてのフィールド調査・体験学習および文化交流

漳州市には古くから「漳州三宝(しょうしゅうさんぽう)」と称される3つの伝統的な名産品(宝物):「片仔癀」(明代の宮廷秘方を受け継ぐ中成薬)と「八宝印泥」(清の康熙年間に創製された、書道や絵画に使う最高級の朱肉)、「水仙花」(漳州市の市花)があります。これらはすべて、国の重要な文化遺産に指定されています。今回は「八宝印泥」の手作りを体験しました。「八宝印泥」は清代の康熙12年(1673年)に現在の福建省漳州市で創製され、のちに乾隆帝をはじめとする宮廷の朝廷専用品となりました。中国の国家級無形文化遺産にも登録されています。その手作り体験の一番の魅力は、五感で楽しむ贅沢な工程です。麝香や真珠といった貴重な天然原料を調合する際、部屋中に広がる高貴な香りに心が安らぎました。また、艾葉(よもぎ)の繊維を均一に混ぜ合わせる作業は想像以上に力が必要で、粘り気を見極める絶妙な力加減に職人の高度な技術を実感しました。完成した印泥は驚くほど鮮やかで深い赤色を放ち、時が経っても色褪せない強さを持っています。各自で一から作った世界に一つだけの工芸品は、最高の記念です。歴史ある名品に触れ、中国伝統文化の真髄を体感できる貴重なひとときとなりました。その他、無形文化遺産の布袋人形劇と木版年画、閩南風花かんざし、中国茶文化、切り絵、砂糖絵なども体験的に習いました。

今回の研修プロジェクトでは、閩南文化は単なる地方文化ではなく、中国伝統文化と海洋文化が融合した国際性の高い文化であることを理解しました。また、漳州では伝統文化を保護しながら観光資源として活用する取り組みも進められており、文化遺産保護の重要性についても学ぶことができました。日本と中国は長い歴史交流を持っており、特に福建地域は古代から日本との海上交流が盛んでいました。今回のプロジェクトは、中国文化への理解を深めるだけでなく、東アジア文化交流の歴史について考える貴重な機会となりました。

また、閩南師範大学外国語学部日本語学科との連携を通じて、隣国である中国の大学生と直接対話し、文化や価値観の相互理解を深める貴重な機会を得ました。「文化で出会い、交流で絆を深め」という主題で開催された歓迎会は、中国の豊かな伝統文化が随所に散りばめられた、非常に温かく記憶に残るものでした。異文化への誇りを持ちながら、私たちを家族のように温かく迎え入れてくれた彼らの配慮に、深い感銘を受けました。さらに「異文化コミュニケーション」という講義にも一緒に参加し文化的交流を行いました。交流の中で特に印象的だったのは、彼らの熱心な学習意欲と、将来に対する明確なビジョンです。日常会話から社会問題に至るまで、日本語を駆使して自らの意見を論理的に述べる姿に強い刺激を受けました。また、私たちが抱いていた「中国の若者」という固定観念とは異なり、アニメやSNSなど共通の趣味を楽しんでいる点も多く、同世代としての親近感を抱いました。今回の経験から、報道やインターネットの情報だけに頼らず、現地の人々と直接関わり、個人の多様性を知ることが真の国際理解につながると学びました。この交流で築いたつながりを一過性のものにせず、今後も連絡を取り合い、将来は両国の架け橋となるような活動に貢献したいとの感想が寄せられています。
今後もこの連携プロジェクトを実施して行きたいと考えています。

八宝印泥1

八宝印泥2

閩南風花かんざし

異文化コミュニケーション

布袋人形劇1

布袋人形劇2

木版年画

茶文化体験