2026.03.02 - 共生デザイン学科 佐野 慶一郎 人間共生学部創立10周年記念国際シンポジウム「日本車とドイツ車のエコカー(SDGs)動向と未来展望」報告
2026年12月6日(土)、横浜・関内キャンパス テンネー記念ホールにて、人間共生学部創立10周年記念国際シンポジウム「日本車とドイツ車のエコカー(SDGs)動向と未来展望」を開催しました。本シンポジウムでは、ドイツのチューリンゲン繊維プラスチック研究所(以下、TITK)繊維・材料研究部 部長のトーマス・ロイスマン博士を招聘して、「ドイツのエコカーと材料開発の取り組み」と題して、基調講演をいただきました。ロイスマン氏は、主に環境影響を配慮した新しい自動車材料を開発しており、ドイツ自動車メーカーとの「炭素繊維リサイクル」で成功を収めています。TITKは本学と学術交流協定を締結しており、教員との共同研究、学生への教育、文化交流を継続しています。今回、ロイスマン氏には自動車部品の持続可能な材料とプロセスの開発について講演をいただきました。「ドイツにおいては、eモビリティの開発は急速に発展しており、今後、市場に普及する見込みです。現代の電気自動車には、持続可能な材料とプロセスが必要であり、リサイクル可能な部品のための装飾材料の開発は必須である」とロイスマン氏は力説されました。さらに、同氏は、TITKで取組んでいる天然繊維やリサイクル繊維を使用した装飾材の開発、産業界との連携についても解説されました。
次の講演では、いすゞ自動車株式会社サステナビリティ推進部ダイレクターの小杉信明氏より「いすゞ自動車のSDGs活動」と題して、トラックのカーボンニュートラルに向けた取り組みについて、ご説明をいただきました。「トラック開発では、多方面からの環境負荷を考慮し、技術進展と社会動向を見ながら、商品力・経済性・ライフサイクルのCO₂排出などを試算して、脱炭素化に最適な動力源を検選定し、車両開発を推進している」と小杉氏は語りました。
最後の講演として、私(共生デザイン学科教員)より、「日本とドイツでの電気自動車の利点」と題し、電気自動車(以下、EV)の生涯走行でのCO₂排出量の実績と予測値やリチウムイオン電池交換によるCO₂排出量の試算予測、EVのリチウムイオン電池の性能向上とリサイクル化が今後の課題であることを説明いたしました。
続けて、上記3名によるパネルディスカッションでは、トラックにおける今後のEV発展の可能性について意見交換がなされました。ロイスマン氏からは「トヨタ自動車とBMWの水素燃料電池車(FCEV)分野での協力関係が良い事例で、日本とドイツは相互に発展した産業を有しており、互いに学べることがたくさんあります。よりサスティナブルな自動車開発をめざし、両国の協力が深まれば」と今後への期待が語られました。シンポジウムには、自動車業界関係者や環境問題に関心を持つ方々が200名ほど来場し、終了後にも講師との活発な意見交換が続くなど、カーボンニュートラル化に向けた最新技術と環境問題への関心の深さが見られました。


教員コラム