2022.04.05 - 共生デザイン学科 小林 和彦 視野を広げる
私は以前、東北の大学に勤務していて、東京に来る用事がある時には美術館を見て回って、様々な作品から刺激を受けていました。本学に勤務するようになってからは、首都圏にある美術大学の卒業制作展も見て回るようになりました。
大学では4年間の学修の集大成として卒業研究で論文執筆などをしますが、美術大学では作品を作って卒業制作として発表する場合もあります。
私自身も芸術大学出身で卒業制作をしていたのもあり、首都圏の大学の卒業制作展には以前から興味がありました。
卒業制作展では、絵画や彫刻、建築模型や製品デザイン、写真やゲームなど、その大学で学べる全ての分野の作品を見る事が出来ます。作品のサイズや、額の色や材質(木や金属など)といった展示方法も学生自身が考えて構成しているので、展示空間の雰囲気も個性的です。
私の担当する授業では展覧会の企画と運営を行っているので、私自身が卒業制作展を見て学んだ会場構成や展示方法などのノウハウを、授業で学生に伝えています。
私の授業での展覧会の様子は、下記の記事からご覧いただけます。
卒業制作展に出品される作品は、学生が自由にテーマを決めていますので、鑑賞を通して様々な発想や考え方に触れる事が出来ます。また、制作に使用している技術も様々なものがあり、今の学生が興味を持っている技術や、作品制作に使われ始めている新しい技術などを知る事も出来ます。
これから社会でデザイナーやアーティストとして活躍していく学生が興味を持っているテーマや技術というのは、業界の主流になっていく可能性もありますので、ある意味では最新情報に触れているとも言えます。
制作を行う上での視野を広げていくために、世間に発表されて高い評価を受けている作品を数多く鑑賞する事はもちろん大切ですが、学生の作品に触れる事で見えてくるものもあるのではないかと思います。