2012.05.17 - 共生デザイン学科 兼子 朋也 葉山芸術祭
葉山芸術祭は今年で20回目を数える歴史あるアートイベントです。葉山を中心にその周辺地域をも巻き込みながら、4月の下旬から一ヶ月近くにわたる期間中に、地元アーティストの工房やアトリエが解放されたり、お店や自宅の一角がギャラリースペースやワークショップスペースに変身するなど、アットホームな雰囲気の中で芸術や文化創造活動に触れることのできる企画が街のあちこちに出現します。その数は130以上にのぼります。ひょんなことから、兼子ゼミは、その葉山芸術祭が地域に及ぼす影響を検証・評価する「葉山芸術祭調査研究プロジェクト(HAYAMA ART FESTIVAL STUDEIS)」に関わることとなりました。
5月12,13日、葉山の中心部に位置する森山神社の境内で、芸術祭で最も賑わいを見せるイベント「青空アート市」が催されました。参道、神社の会館、かつては桟敷席として使われたひな壇など、高低差のある敷地に所狭しと多くのお店が出店し、まるでお祭りのような雰囲気です。このイベントの来訪者に対して、芸術祭での行動や意識を把握するアンケート・ヒアリング調査が実施されましたが、それを3,4年のゼミ生が担当しました。はじめは見知らぬ人たちを前にアンケートをお願いするのを躊躇していたり、アンケートを断られてヘコんでいたりした少々頼りなかったゼミ生達も、数多くのアンケートを遂行するうちに徐々に成長を見せ、目標の回答数をクリアしたイベント終了時には、充実した表情を浮かべながら「普段話すことのない人たちから意見を聞くことができて、よい経験になった」「普段はアンケートに答えたことなど無かったけど、アンケートに答えてくれる優しい人が多くて、うれしかった」「アンケートをする側は多くの準備と回答者以上の知識が必要であることがわかった、次回はもっと準備をして臨みたい」などと、ずいぶん頼もしくなって、うれしいことを言ってくれます。ゼミ生達は、葉山の地で、アートイベントに参加し、来訪者・主催者・関係者との触れあいを通じて、芸術祭が地域に与える影響について肌で感じ取った様子でした。
今回の葉山芸術祭では、個人的にも様々な企画を訪れました。おのおのの企画が手作り感あふれるユルい雰囲気のなかで、とても気持ちのよい魅力あふれるものであったことは言うまでもありませんが、歩いたことのない路を時には迷子になりながら散策する中で、海と山を身近に抱える変化に富んだ地形、次々と移り変わる表情豊かな景観、心地よい風と空気、なんだかホッとするけどどことなくオシャレな町並みや家々などなど、葉山の魅力を体一杯に感じることができまました。なんだか錆び付いていた感性が呼び覚まされるような新鮮な気分にさせてくれるイベントでした。そして、個性豊かな方々と新たにお知り合いになれたことも大きな収穫でした。
また、来年以降も兼子ゼミは葉山芸術祭に関わっていく予定です。
「青空アート市」の様子 | |
アンケート・ヒアリング結果について報告するゼミ生達 | |
兼子 朋也(共生デザイン学科)