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教員コラム

2021.11.18 - 共生デザイン学科  「くらしを研究する」とは?

私の専門はデザイン学です。人々がどのようなデザインのモノに囲まれ、どのような趣味嗜好でそれを選択しているのか、特別なデザイナーの趣味ではなく、ごく普通の人々の暮らしとそこに存在するモノについて、歴史的・文化的な研究を続けてきました。このような生活にまつわる研究は民俗学や文化社会学、文化人類学、生活学など、色々な領域で行われていますが、デザイン学もまた、この生活研究のひとつのアプローチとして有効です。しかしデザイン学、デザイン史学ではこれまでデザイナーの作品や作家の研究が多く、「くらしの研究」は比較的新しいため、まだきちんと方法論が確立されていません。普通の人々の暮らしに着目したとき、やはりデザイン学研究においても社会学や民俗学といった他の領域の手法を積極的に用いることが重要になってきます。

12月11日に、お茶の水大学主催のシンポジウム「くらしを研究する-衣食住のデザイン学、その方法論」がオンラインで開催されます。基調講演では「日常生活のデザイン文化史研究」と題して、こうした暮らしに関するデザイン文化史研究の現状を、私自身のこれまでの研究もふまえて紹介したいと思っています。誰でも参加できるオンライン開催なので、関心のある方は是非お気軽にご参加ください。