MENU

教員コラム

2023.09.19 - 共生デザイン学科  サバティカル研究期間を終えて

2022年度、1年間のサバティカル研究期間を過ごさせていただきました。コロナ禍で1年遅れ、依然コロナの流行が終息していない中でしたが、それでも本当に久々に充実した時間を過ごすことができました。1年間は国立歴史民俗博物館の研究員として、研究に専念しました。研究課題は「近代消費社会と趣味の大衆化に関する研究」です。
私は長年、普通の人々の趣味のデザイン表象についての研究をしてきました。近年では特にインテリアデザインに着目し、デザイナーではない素人が、どのようなデザインの実践を行ってきたか、調べています。研究期間、国内では千葉の歴博だけでなく国会図書館にも頻繁に通い、また秋にはロンドンでの調査も行いました。大英図書館、V&Aアートライブラリーなど、連日の図書館に通いは、まるで大学院生に戻ったようでした。イギリスでは19世紀末頃から多くの女性向けインテリア雑誌が刊行されています。とても面白くて、古い雑誌を手が真っ黒に汚れるのも忘れて見ていました。この年齢になっても、知的好奇心はまだ衰えていないと、ひそかに嬉しく思いました。物価の高さには閉口しましたが、秋のロンドンは気候も快適でした。
このような貴重な機会を与えてくださった大学に感謝するとともに、新しく得た知識は今後学生たちにも還元できるようにしたいと思っています。

ヴィクトリア&アルバートのアートライブラリー

 

紅葉の中の「レッドハウス」