2023.08.22 - 共生デザイン学科 立山 徳子 空き家を利用したプロジェクトに挑戦する人々
現在、日本全国には8,489,000戸もの空き家があり、その比率は全住宅のうちの13.6%にも上ります(平成30年住宅・土地統計調査)。空き家と一口に行っても、それが都市部にあるものなのか、それとも地方にあるものなのかによって、物件の特徴(敷地や建物の面積、建築様式など)は全く異なります。中でも特に注目に値するのは、空き家の価格面でしょう。賃貸・購入のいずれの場合にも、地方の空き家の価格は都市部のそれに比べて、大変安価であるという魅力があります。
私の担当する「デザイン・プロジェクト03」では、空き家を利用して自分たちの新しい挑戦を実現している人達を取材することをテーマに、千葉県いすみ市での3泊4日の現地合宿を行いました。
空き家と人間とが共に再生してゆくプロセスを理解するプロジェクトです。
事例1:星空の小さな図書館 https://hoshizora-library.starlet.link/
農家の納屋を改修し、近隣からの本の寄贈による小さな私設図書館。小さなカフェコーナーも併設されていて、地域の方たちがゆっくり本とである空間です。長年の会社勤めを辞めて、健康的な生き方・働き方を求めて移住してきた方が実現しました。
事例2:マチノイト
元々、商店街にある簡易郵便局の建物だった場所を、ソーイングのアトリエとして運営している事例です。地元の方の着なくなった着物を譲り受け、それを洋服にデザインし直すアップサイクルや、ミシンを習って自分の好きなものを作ってみたいという方向けにミシン講習などを開催しています。
自分のアトリエとブランドを持ちたいと考えた方が、このマチノイトを実現しました。
事例3:Bamboo Base
こちらは農家の空き家を大改修して、民泊施設ならびに裏山の竹を使った竹のworkshopを開催する場所です。屋外での体験や人をつなげる様々なイベントを立ち上げたいと考えた方が、こうした空き家利用を実現しました。写真は学生たちも裏山に入って竹を切り出し、ほそく割ったものを組み合わせてついたてを作った様子です。