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教員コラム

2021.10.19 - 共生デザイン学科  災害被害者とパーソナル・ネットワーク

私は今、1年間の研究休暇をいただき、アメリカ合衆国フロリダ州にある南フロリダ州立大学(University of South Florida)で研究・調査活動をしています。私のここでの研究・調査の課題は、災害被害に対していかに人々が自分の身の回りの人々とともに助け合いながら、回復できるのか。。。この災害への回復力のパターンを調べるのが目的です。(「災害回復におけるパーソナル・ネットワークの役割」(Role of personal network on resilience))

今日の地球温暖化現象による災害は、ここフロリダに限ったことではありません。(米国内だけでも乾燥による山火事や竜巻、また冬の大寒波など多くの自然災害があります。)日本など他国に目を向けると、地震・津波・水害・土砂災害・火山噴火・台風・・・など、災害にはさまざまなものがあります。

このように災害には決して同じ状況のものはありません。また台風やハリケーンのような予測可能なものもあれば、ある日突然発生する災害もあります。しかし災害はひとたび起こってしまえば、誰もが回復する方向に舵を切るしかない社会現象へとつながります。その回復の過程で、人々や地域社会(コミュニティー)には回復力の強い・弱いが歴然としてあるのも事実です。

そこでどういった社会経済的特徴の人々・地域において回復力が弱いのか、またそうした人々・地域にはどういった支援が必要なのか。個人レベルで解決できることと地域や行政レベルで解決するべきことは何なのか。こうした疑問に対してパーソナル・ネットワーク(人が持つ関係資源)の特性と回復力との関係を探っていこうとしています。

今後はハリケーン被害者へのインタビュー調査をする予定です。

*写真は所属する研究チームiCAR(initiative on Coastal Adaptation and Resilience) メンバーによるコミュニティー・ミーティングで、地域住民とのディスカッション風景と調査協力のお願いをしている風景。

週末のお昼にみなさんピザを食べながら、気軽な参加が印象的でした。