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教員コラム

2010.12.16 - コミュニケーション学科  異文化理解の実践活動:上海文化の体験および大学生との交流

百聞は一見にしかず、本ゼミの研究活動の一環として、この秋は中国経済・金融・文化の中心である上海を訪れました。上海文化の体験および大学生との交流が今回の活動の目的でした。「十年上海看陸家嘴,百年上海看外灘,千年上海看七宝」という言葉があります。日本語で説明すれば、「上海の都市としての歴史的変遷を見たいのなら、十年では浦東「陸家嘴」(中国金融の中心)、百年なら外灘(上海歴史の舞台)、千年となると七宝(歴史的・伝統的な旧市街)がある」、という意味です。

故に、最初は千年の歴史を有する古鎮「七宝」を訪れました。この北宋時代から残る水郷の街では、牌楼や鐘楼などが歴史を感じさせ独特の雰囲気を醸し出しており、また、明代に造られた蒲匯塘橋を中心にして、南北大街が延びていました。南大街は食べ物(羊肉などの料理が有名)が主体で、北大街は工芸品、骨董品のみやげ店が軒を連ね、古き良き情緒にあふれた街でした。

(↑七宝老街の蒲匯塘橋前)

その後は、明・清時代の面影が漂う江南式名園「豫園」、上海の歴史文化風貌を持つ都市観光地「新天地」を散策しました。「新天地」は、上海近代建築のシンボルである石庫門建築(レンガ造りの建物)を基礎にして、レストラン、ビジネス、娯楽、文化を一体にした歩行街です。西洋と東洋及び新旧の建物スタイルが融合した華やかな空間は、今若者がよく集まる新しいトレンドエリアとなっています。その他、中国茶文化の体験やシルク製造工場の見学、伝統芸術ともいえる雑技団の観賞、黄浦江遊覧船のナイトクルーズ(立ち並んでいる西欧風のクラシカルなビルと、現代上海を象徴する摩天楼を同時に望むことができる。)など、上海の文化を満喫してきました。

(↑シルク製造工場の見学)

また、経済の急成長時期に生まれた中国の若者の信念や価値観、生活様態などを理解するために、本学の協定校である上海応用技術大学の学生と交流を行いました。非常に友好的な雰囲気の中で、個々人の趣味や家族関係、友人関係、社会文化などについて、積極的に意見交換を行いました。それによって、双方の考え方や価値観などを理解することができました。ちなみに、今の中国の若者は日本の様々な文化に興味津々で、特にアニメ文化に強い影響を受けていることがよく分かりました。

(↑日中大学生の交流会)

学生たちは、今回の体験を通じて、普段テレビや新聞などから受けていた印象とは違う面もあることに気づき、このような異文化交流活動はとても重要であると再認識したようです。

(↑上海応用技術大学での学食)

施 桂栄(コミュニケーション学科)