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教員コラム

2025.02.27 - コミュニケーション学科  「ふつう」を巡る心理学

今年度、ご縁があり『横須賀市市民大学』で「ふつう」を巡る心理学という全5回の講義を行う機会を得ました。私は20年以上「ふつう」をテーマに研究してきました。これまでに行ってきた研究を概観し、体系的に整理し、今後の展望を考えるよい機会となりました。
この講義はありがたくも多くのお申し込みがあり、抽選をおこない、受講生は88名でした。受講生の内訳は、男女比は3:7で女性が多く、年齢層は70歳代が中心(10代・20代の方からもお申込みあり)でした。また、心理学の知識のほとんどない初学者の方が多いということでした。
普段は大学生を対象に講義しているため、年配の方かつ初学者の方を対象に講義するということで講義内容や話す内容について悩みつつも楽しみに準備を進めました。まずは「ふつう」という語の多様さを紹介し、社会心理学では「ふつう」をどのように位置づけることができるのか、「ふつう」と人間関係の関連、これまでの研究の紹介等を講義で説明することにしました。
受講生の皆様は大変意欲的かつ熱心に講義を受けてくださいました。20年以上も研究しているため、たいていの質問や疑問にはデータに基づき回答できると考えていましたが、豊富な人生経験に裏打ちされた鋭い質問やクリティカルなコメントをいただき、まだまだ検討すべき事柄が多いことに気づかされました。大いに刺激を受けることができ、私の方が学ばせていただきました。