2021.05.10 - コミュニケーション学科 佐野 予理子 コロナ禍でのプロジェクト科目実施
3年春学期で開講される私が担当するプロジェクト科目は「公園の心理効果についての調査プロジェクト」を予定していました。しかし、2020年度はコロナ禍のため残念ながら学外活動はできず、公園でのフィールドワークは実施できませんでした。そのため、「公園」という制限をなくし、調査可能なテーマやリサーチクエスチョンを受講生ひとりひとり1から考え、様々な工夫をしながら調査を行いました。工夫の1つは、実際に学外に出てのフィールドワークができないため、ライブカメラを使ったことです。
コロナ禍だからこそのテーマや自由な発想によるユニークなテーマ、人間ではなく動物に着目したテーマ等、通常のプロジェクト科目を実施していたら出てこないであろうテーマがたくさん出されました。例えば、「緊急事態宣言解除後の河原公園利用者の変化と利用目的」「日本と海外の交差点での人間の行動の違い」「ペンギンは陸と水場どちらの活動が多いのか」。ライブカメラを使うからこそ、日本と海外の比較をしたりフィールドを俯瞰で観察したり、より広範な調査を行うことができました。
「日本と海外の交差点での人間の行動の違い」をテーマに行った調査結果の一部を紹介します(図1、図2)。渋谷のスクランブル交差点とラスベガスのフレモントストリートを取り上げ比較しました。 調査を実施した学生は、“(渋谷とラスベガスの)決定的な違いは「赤信号で渡る人」のデータの割合の差である。日本の交差点では「赤信号で渡る人」の割合は「0%」だったのに対し、アメリカでは「79%」と圧倒的な差が生まれた。”、“このことが示しているのはその国の「国民性」ではないか。”、“日本人の国民性は「規則やルール遵守」、一方アメリカの場合は後方の広場に警備員がいたのだが、そのことを気にせずに「赤信号でも渡る」、警備員も赤信号で渡る人にはあまり気にしない。”と結果をまとめ考察しました。
コロナ禍ではできることがどうしても限られてしまいますが、工夫次第で可能になることはたくさんあり、より広範で充実した活動が行えることがわかった1年となりました。