2021.08.17 - 共生デザイン学科 佐野 慶一郎 ゼミナールテーマ「未利用資源の利用」
地球環境保全の観点から、「未利用資源の産業利用」が求められています。佐野ゼミナールでは、さまざまな未利用資源の中から産業利用にできるモノを探索して、実用化すべく、「商品企画と研究実験」を主テーマとしています。未利用資源の利用は、SDGsの17目標の中で、12番の「つくる責任、つかう責任」に適う行動です。
植物廃棄物を原料利用した製品の事例を下表に示します。以前から、第一製品の生産で生じた廃棄物を原料利用して、第二の製品を生産する事例があります。
植物廃棄物を原料利用した製品の事例
ペットボトル用の緑茶や烏龍茶を煎じる工場では、「茶殻」が廃棄されます。茶殻には、植物ポリフェノール類の「カテキン類」が多く残存します。
白ワインをつくる工場では、葡萄から種子が除去され、廃棄されます。「葡萄の種子」には、「アントシアニジン」が含まれます。
一部、茶殻と葡萄種子から植物ポリフェノール類が抽出され、健康食品や消臭剤に利用されています。
ドイツには、亜麻を栽培し、油をつくる産業が盛んです。亜麻仁油をつくる工場では、刈入れた穂から種子が採取され、茎は廃棄されます。「刈入れ茎」は、ほぐされ、マット状に加工され、ドイツ車室内の座席や板材に利用されています。
日本には、荒れた竹林が多く、伐採した竹が多く廃棄処分されています。高級な日本車室内の板材やスピーカに竹材を利用した事例があります。また、コットン「古着」はリサイクル回収され、ほぐされ、マット状に加工され、日本車室内の吸音振材や建築資材に利用されています。
佐野ゼミでは、上記の事例を踏まえて、「未利用資源の産業利用」に関する以下の研究を継続しております。多くの方々に、興味を持っていただければ幸いです。
1.植物ポリフェノール類を利用した植物繊維の消臭化
ポリフェノール:緑茶や葡萄、どくだみなど
繊維:亜麻、コットン古着、竹、ケナフなど
WO2011-071121号 天然繊維含有プラスチック製造用複合材料及びその製造方法、並びに天然繊維含有プラスチック及びその製造方法 – astamuse
2.竹繊維と廃棄プラスチックとの複合材・製品
教員コラム – 関東学院大学人間共生学部 (kanto-gakuin.ac.jp)