2019.07.25 - 共生デザイン学科 佐野 慶一郎 点滴の包装ポリ袋が箸やコップに
病院で生じたごみは、二次感染を防ぐため、多くは焼却処分されています。病院のごみには、高品質なプラスチックが多く含まれています。感染の恐れのないものもあり、まだまだ使えるものがあります。
これら病院のごみ資源を有効に活用できないかと考え、国立国際医療研究センター病院や大学、公設研究機関、企業などでつくられたのが(一社)医療の環境負荷低減研究会であり、さまざまな調査研究に取り組んでいます。
佐野ゼミもこの研究会の中心メンバーで、非感染性の廃プラスチックを利用した箸やコップなどのリサイクル食器を本学理工学部と共同で開発し、2018年度から本学の売店で販売を開始しました。
材料は、同病院から出る点滴の包装ポリ袋(非感染性廃棄物)と本学で回収したペットボトルのキャップ。これらを協力先の㈱ユニオン産業(川崎市)が独自に開発した「ユニペレ」と混合しました。
「ユニペレ」とは、竹短繊維を主成分にした有機物で高い抗菌性と燃やしても有害物質が出にくいのが特長です。製品の4割を2種類の廃プラスチックと廃竹材で占めています。
ゼミでは、当面、このリサイクル食器の販売を学内で継続していきますが、今後、病院内での販売や使用も検討していきます。なお、医療機関から出る廃プラスチックは、ほとんど資源化されておらず、新たな用途開発も重要課題であり、これについても研究を進めています。
ゼミ生たちは「単に商品を販売するだけでなく、私たちの取り組みの重要性を理解してもらうきっかけにし、仲間を増やしたい」と思い、活動を進めています。
出典:関東学院大学プレスリリース2018年3月19日、http://www.kanto-gakuin.ac.jp/?p=7563