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教員コラム

2009.06.04 - 共生デザイン学科  共生デザイン学科 佐野慶一郎ゼミナール

佐野ゼミナールでは、「産業のエコ・デザイン」を大テーマとして掲げ、研究のキーワードは、「エコ・カー」、「リサイクル」、「脱石油社会」、「植物素材」です。
ゼミ生達は、いずれ化石燃料を用いる車はなくなり、電気自動車(プラグ・イン)が最も普及すると予想しています。電気自動車で用いる電気は、全て自然エネルギー(太陽電池や風力発電)からつくられるでしょう。また、原油ナフサからのプラスチックは、何度もリサイクルできるようになり、植物素材(天然繊維や木質材)の利用が増えると考えています。

ゼミ生は、まず世の中にあるエコ・デザイン製品を「探し」、「見て触れて」、「調べ」、そこから、新しいアイディアとエコ・デザインを生み出そうと努力しています。
3枚の写真は、コンパクトなエコ・カーを調べているところです。
ゼミの研究でも、産業の基本である「現場」へ行き、そこにある「現物」が、「現実」の中でどのように機能しているのかを知る「三現主義」を大切にしているのです。
昨年、私は本学に着任し、我がゼミは今年の春よりスタートしました。
エコ・カーを調べる前に記念撮影
まずは車室内の環境を確認、少し臭い! トランク・ドアの内張はリサイクル材かも?

産業に関るエコ・デザインには、様々なものがありますが、ゼミ生は、下のテーマの中からひとつ選んで、調査研究と学習を進めています。

① 廃プラ・リサイクルのプロセス・デザイン
本学工学部 自動車コースの武田克彦先生と意見交換しながら、リサイクル・プロセスのデザインと実験を進めています。車座席の廃プラ(ウレタン)を熱分解し、その油をディーゼル・エンジンの燃料に再利用できないかと考えています。

② 空気清浄フィルターのエコ・デザイン
空気中のどんな悪臭(有害物)もすばやく吸着するスーパー・フィルターの構造をデザイン中です。企業と一緒に、このフィルターによる悪臭の吸着量を分析して、フィルターの素材や寸法形状、多層構造にアイディアと改良を加えています。スーパー・フィルターは車と家庭用のエアコンに用いる計画です。

③コンパクト・カーのエコ・デザイン
現在、「エコ」と「快適性」、「安全性」を兼ね備えたコンパクト・カーの新しいコンセプトを発案しています。
ドイツと共同研究中の植物素材を用いたドア・ボード(右写真)の構造デザインもコンセプトのひとつです。
植物素材を用いた車のドア・ボード

我がゼミで学んだ学生達は、社会人となり、エコ・デザインのポリシーを吹き込んだ企画や製品を世の中に出してくれることでしょう。私はせっかちで、彼らが企画したり、デザインしたモノを早く購入して、利用した感想を彼らに伝えたいと考えています。

佐野 慶一郎(共生デザイン学科)