2018.04.25 - 共生デザイン学科 水沼 淑子 <学生達の調査成果>
登録有形文化財。
聞いたことがありますか?
「文化財」というと、釘一本打ってはいけない、手を加えるなんてもってのほか、
という印象がありますが、この「登録」有形文化財というのは少し異なる仕組みです。
今から18年ほど前に新しく作られた仕組みで、主として近代に造られた、
さまざまな文化財建造物を後世に幅広く残していくための制度として造られた制度です。
届出などをすれば外観の現状変更も可能であるなど、それまでの指定とは異なり、
緩やかな保護措置に特色があります。
私たち水沼研究室では、これまで多くの歴史ある建物の調査や研究をしてきました。
その中からこの登録有形文化財が複数生まれています。
鵠沼にある尾日向家住宅。人間環境デザイン学科(現在は共生デザイン学科となりました)
一期生が今から13年前に調査をしました。
CADで図面を作成し、その価値を明らかにしました。
その尾日向家住宅が昨年登録有形文化財に登録されたのです。
所有者の方とも以後長くおつきあいを続け、ようやく登録に至りました。
登録の際に、学生の作成した図面などが大活躍したことは言うまでもありません。
担当した学生達は、現在、設計事務所に勤めていたり、2児の母親をやっていたりします。
このほかにも、研究室で手がけた調査研究が社会の中で実際に役立っているという経験は、
教員にとっても卒業生にとっても在学生にとっても、大きな自信につながっています。
そのときはちょっと大変でも、共に過ごした時間はかけがえのないものです。
卒業生が集まったとき、そんな時の思い出話がでると、ちょっと嬉しくなってしまうのです。