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教員コラム

2020.10.15 - コミュニケーション学科  コロナ禍のダブル・ディグリー・プログラム

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は2019年に最初に確認され、2020年の初頭から世界中に拡大し、現在までその勢いは収まっていない。その影響は地球規模で、健康面のみならず社会的・政治的・経済的混乱を巻き起こしている。本学科のグローバル関連の取り組みも深刻な打撃を受けている。

毎年実施しているオーストラリアや台湾での短期研修は中止となった。英語圏・中国語圏への留学を目的としたプロジェクト科目を履修した学生は、目下国内待機中である。待機中といっても、この感染症が収束もしくは有効なワクチンが開発されなければ実施は難しい。社会に出る前に海外留学を体験しておきたいという彼らは、不安と不満を募らせている。

本学科には、2020年度に1期生を送り出そうとしていた、学科の特色となるダブル・ディグリー・プログラムがある。このプログラムは、本学科の学生が海外の大学に留学し、双方の卒業要件を満たすことで、2つの大学の学位を卒業と同時に取得できるというものである。留学先はオーストラリアのニューカッスル大学、もしくはアメリカのセントラル・コネチカット州立大学。現在3名の学生がニューカッスル大学でのダブル・ディグリー・プログラムに取り組んでいる。

本来ならば、この春から渡豪し、大学のランゲージ・センターでの英語学習を経て、学位の取得を目指すところだが、コロナ禍により渡航が制限されてしまった。

それと同時に同センターがオンライン学習の提供を開始した。日本国内でのオンラインの授業で、どれほどのことが期待できるのかという懸念があったが、迷っている時間は無く、そのシステムに乗ることにした。ところが教員の心配をよそに、学生の英語力は確実に伸びている。

もちろんこれでよいわけではない。学生を一日も早く現地に向けて飛び立たせてあげたい。英語力の向上のみならず、現地で「生活」した者にしか味わうことができない感覚を経験させてあげたいと心底思う。コロナの収束、あるいは有効なワクチンの開発を心から待ち望んでいる。

以下に、ニューカッスル大学のホームページに掲載された本学科の学生の文章(StudentTestimonials)をご紹介し、締めくくりたいと思う。

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私は今年の4月からオーストラリアのニューカッスル大学に留学する予定でした。しかしながら、新型コロナウイルスの影響で渡豪が叶わず、日本の自宅でオンライン授業を受けることになりました。最初は、先生が言っていることをあまり理解することができなく、さらに同じクラスに日本人もおらず不安もありました。けれども、中国やサウジアラビアのクラスメイトと一緒に授業を受け続けていく中で自分の英語力も上がり、とても楽しく有意義にこの約3か月を過ごすことができました。

確かに、現地で一日中英語に触れることができるのは英語力の上達に一番の近道だと思います。しかし、現地に行けなくてもクラスメイトと授業以外に英語で会話するクラブ活動や昼休みにある体験プログラムを通じて英語に触れる機会はたくさんありました。そうした機会に積極的に参加することで英語力を伸ばすことは可能です。自分の言っていることが相手に伝わることはとても嬉しいことですし、自分への励みになります。日本にいて独学で勉強することももちろん英語力を向上させることができると思いますが、同じ目的で勉強する仲間と一緒に勉強した方が、将来的に英語を使った仕事をしたい人や英語圏で生活していきたい人には特にオンライン授業を受けるべきだと思います。