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教員コラム

2026.06.25 - 共生デザイン学科  デザインはひとつながり

「デザインはひとつながり」―これはこの春、共生デザイン学科の1年生になった学生達に向けたオリエンテーションで、私からお話しした言葉です。
共生デザイン学科ではいろいろなデザインを学ぶことができます。
これは確かに学科の特徴で、まだ何を将来やりたいか、方向性の決まっていない新入生にとっては、色々なメニューが用意されたファミリーレストランのような存在に写っているかもしれません。実際、共生デザイン学科に入ってくる学生さん達は、まだ将来の方向性が決まっておらず、色々なデザインを学ぶことを通じて、大学生活の中で発見していきたいという希望を持って、入学して来られる方が多いのは事実です。
共生デザイン学科ではそうした新入生達に、色々なデザインの面白さを紹介するための、共生デザイン入門という授業も用意されています。これは1年生の春学期に、共生デザイン学科のすべての教員が1回ずつ担当して、それぞれの専門分野のデザインの魅力を伝える授業で、この授業を受けることで、学科にどんな先生がいて、どんなことを専門に教育・研究しているのかがわかります。

デザイン学科のパンフレットには12名の専任教員が並んでいます。それぞれの専門分野のデザインを教えていますが、共生デザイン学科ではこの他、多彩な非常勤講師の先生方による授業も受けられ、本当に色々なデザインについて幅広く学ぶことができます。
ここで改めて、私からのメッセージ「デザインはひとつながり」について、お話ししたいと思います。

写真は、私が担当している「コミュニティデザイン演習」の授業履修者達と撮ったものです。この授業は毎年、春学期に行っていますが、最終成果として、夏のオープンキャンパスでカフェを運営します。つまり、授業の内容としては、オープンキャンパスに来てくれる高校生や保護者の方達に楽しんでいただくことができるカフェを計画し、実際に運営することができる力をつけて、それを実際に行うための色々なことを教えています。写真では全員、デニムのエプロンを身につけています。これはカフェのコスチュームを考え、カフェのテーマに合ったコスチュームを決めて全員で当日着ているものです。また、何人かの学生は、手に花を持っています。これも空間演出として、飾っていたものです。クッションを抱えている学生もいます。ピンクとオレンジがあります。これもインテリアを構成する要素として学生達が選びました。空間全体は白い布でできています。カフェのテーマは毎年変わるのですが、この年は「夜のピクニック」というのがテーマで、部屋を暗くして、キャンドルや小さな照明を配置し、布でできたティピーと呼ばれるテントや低めのテーブルと椅子でリラックスした雰囲気のインテリアをデザインしてくれました。

この写真は別の年の同じ授業履修者達と撮ったもので、この年は「和カフェ」がテーマでした。全員が浴衣を着てお客様の対応をし、カフェの入り口には写真のような大きな暖簾をデザインして演出しました。
この授業で教えていることは以下のようなことです。

空間のインテリアデザイン、カフェのメニュー構成(試作、試食を繰り返して決めていきます)、カフェのロゴマークデザイン、カフェのポスターやパンフレットのデザイン、お客様へのサービス応答の方法を決めて練習するなど、上に列記している全てがそこに含まれます。
この「コミュニティデザイン演習」では、授業の2回目にレポートを発表してもらいます。それは、「あなたの好きなカフェ」というもので、自分が好きなカフェを写真を見せながら説明し、そのカフェのどこが気に入っているかを発表してもらうというものです。この発表を聞いてわかるのは、カフェの食べ物や飲み物が好きという人だけでなく、カフェの雰囲気やインテリア、照明、そこに置いてある小物や店員のサービス、そこに流れる時間や音楽など、本当に色々なことが挙がってきます。
これはどういうことかというと、「カフェにはデザインの全てがある」ということです。
そしてその全てについて、お客さんとして行く学生達は、とても鋭い観察の目を向け、そのカフェがいいなということを、感性を総動員して感じ取っているということです。

ここでは、カフェはわかりやすい事例として挙げているのですが、このようにどんなデザインでも、それ単独で成立するというものは少なく、色々なデザイン要素が複合して構成されています。つまり、デザインするということは、これら全てのデザインについての知識が必要で、色々なデザイナーとのコラボレーション(共同作業)も必要になってくるということです。
これが、私の考える「デザインはひとつながり」ということです。
デザインを勉強する上で、得意分野を探すのはその第一歩かもしれません。しかし、「共生デザイン学科」で学んで欲しいことはそれだけではありません。さまざまなデザインをどうつなぎ、組み合わせていくのかを考え、実際の社会のためにプロジェクトや作品を作っていく力を身につけていただきたいのです。
最後に、共生デザイン学科を卒業する学生達は、本当に様々な幅広いデザインの仕事についていきます。卒業生の分野が幅広いのもとても面白く、仲の良い友人達と、将来一緒に仕事したり、デザインについて語り合ったりすることができるのです。
「デザインはひとつながり」のもう一つの読み方は、「デザインは・人・繋がり」です。デザインはいろいろな人を繋ぐ力があり、またデザインそのものもいろいろな人の繋がりによって作られるものです。「共生デザイン学科」の共生という言葉の意味は、そうした広いつながりをデザインで作っていくことができるという可能性を表しています。