MENU

教員コラム

2024.02.27 - 共生デザイン学科  自転車でピクニック−「チャリピク」プロジェクト②ガイド養成講座 ランディングを目指して

このコラムは、前回書いた三浦市の「チャリピク」プロジェクトの続き②です。
2022年度は「チャリピク」という仕組みと道具立てを作りました。
続く2023年度は、「チャリピク」を着地(ランディング)させるための地域活動です。
デザインやアイデアは地域を深く観察することから生まれますが、ある意味でフワリと湧いてくる雲のような存在です。アイデアが生まれた時点では、それが地域に根付くとは限りません。それを実際の地域活動にまで成長させ、地域に根付かせることを、ここでは着地(ランディング)と呼んでいます。

皆さんは「着地型(ちゃくちがた)観光」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
対になる用語として「発地型(はっちがた)観光」という言葉があります。発地型観光は観光の主な利用者が居住している大都市圏の旅行会社などが企画を立て実施するのに対し、着地型観光は訪れる地域のスタッフが企画し、運営するものです。地域住民だからこそ発信できるレアな体験を提供したり、観光による収入や雇用が地域に直接還元されるなどの効果から、近年注目を集めている、比較的新しいツーリズムの形態です。
言葉のあやのようではありますが、今回は、着地型観光を実現するために、プロジェクトを着地(ランディング)させようとする試みについて書きます。

ここで重要なこととして、「チャリピク」を着地(ランディング)させるためには、
地域住民が主体になって企画立案し、運営していく仕組みづくり
がどうしても必要だということです。

これは、なかなか簡単なことではありません。なぜなら、アイデアを出すのは我々大学のゼミナールですが、そのアイデアを地域住民に理解してもらい、面白いと思ってもらい、実際に自分たちだけで運営できるようになってもらう必要があるからです。
それには、どうすれば良いでしょうか?

今回、三浦市民交流センター、通称「ニナイテ」の協力を受け、私が講師になって、全5回のチャリピクガイド養成講座を行いました。

 

半日程度のプログラムで、毎回、実際にチャリピク号でピクニックをしながら実地で学んでいただき、どうすれば楽しいガイドツアーを作り上げることができるかを一緒に考えていくという内容の講座です。すぐに定員の8名の申し込みがあり、地元参加者が集まってくださいました。

 

講座の最初です。まずはチャリピクの説明から。まだ皆さん固い様子

 

安全講座の後は早速自転車でピクニックに出かけます。三浦の綺麗な景色を見ながら。自転車をこいでいると自然と気持ちがほぐれます。

 

 

三浦海岸に出ました。目的のピクニックポイントまで後少しです。

 

ここからは自転車を降りて浜まで歩きます。

 

浜に到着。

 

ピクニックポイントについたらシートを広げ、いよいよピクニックセットの使い方を実習。

 

三浦産のハチミツと途中のミカン園で買ったミカンでホットサンドを作ってみることにしました。この辺りは、臨機応変に楽しみましょう。

 

 

ピクニックは、一緒に作業することであっという間に皆さん仲良くなります。

 

学生から社会人まで、広い年齢層が一緒に。

 

ピクニックのある風景。

最初の固かった雰囲気がこんなに打ち解けました。チャリピクの力は凄いですね。

 

 

ピクニックが終わると、部屋に戻って振り返り。次の講座の計画を立てます。
こんなガイド養成講座を、全5回行いました。
先に書いた、
地域住民が主体になって企画立案し、運営していく仕組みづくり
が今回できたのか、ということですが、5回の講座を終了して、ガイドさん達同士もとても仲良くなり、すでに3月に申し込みのあったツアーの準備をしてくれています。当日、たまたま私が予定があったので参加できないのですが、ガイドさん達だけで実施してくれるそうです。

プロジェクトはうまく進んでいるのではないかと思います。講座を終了して、参加者には「チャリピクガイド認定証」が渡されます。
こうして、三浦に初の「チャリピクガイド」さんが8人、誕生しました!

この事業は令和5年度観光庁「インバウンドの地方誘客や消費拡大に向けた観光コンテンツ造成支援事業」の助成を受けて実施したものです。