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教員コラム

2019.02.09 - コミュニケーション学科  「育てる」より「育つ」

人間共生学部の一期生も3年生になりました。人間共生学部のカリキュラムの背骨ともいえる「プロジェクト科目」も、ほぼ全員の学生が履修し、単位を取得できました。

プロジェクト科目は、各教員が何らかのプロジェクトを立ち上げ、そこに学生が主体的に参加することで、大学の授業では学べない様々な知識や経験を得ることができる授業です。多くのプロジェクトが学外での活動を中心としているため、大学の外で学べる貴重な経験となります。他大学にはあまり例のない、特徴的な授業です。

私が担当したプロジェクトでは、大学の授業を企画しました。

普段学生たちは与えられたカリキュラムに従って学んでいます。選択科目はあるものの、開講されている科目はすべて大学側が用意したものです。このプロジェクトでは、現在開講されていないが、学部・学科の専門科目として学生が学びたいと考えるテーマの授業を企画しました。そして、実際に講義を担当していただける講師の先生を学生たちが探し、自分達で交渉しました。

今回の履修者は4名の学生で、最初の2ヶ月はテーマの絞り込みのためにディスカッションを重ねました。その結果、決まったテーマは「パフォーマンスと緊張」。一般的に、緊張すると誰でも自分の持っている能力を発揮できないものです。緊張とどう向き合い、より高いパフォーマンスを発揮したらよいか、身体生理学と心理学の両側面から学びたいというのが、学生たちの考えたテーマです。

学生たちがご相談に伺ったところ、講師の先生方も快く了承してくださり、秋学期に8回の連続講義として開講することができました。どの先生も、学生たちが自力でゼロから授業を企画し、開講を実現したことに大変驚き、ご多忙な中、大変充実した興味深い授業を講義してくださいました。

この授業を通して学生たちが大きく育っていく過程に立ち会えることができ、私も多くを学ぶことができました。学生は育ちます。学生が自主的に育つような「場」や「環境」を提供することが我々教員の務めであると、改めて認識しました。