MENU

教員コラム

2016.11.25 - 共生デザイン学科  狩野永徳の梅

ここ数年、生活の中に占める「和」の割合がどんどん高くなってきています。娘たちが独立したこともあり食事も和食が中心に。結果的に日本酒の消費量が著しく増大し、一升瓶の空き瓶がすぐに溜まってしまいます。
余暇の過ごし方にも「和」が台頭しています。近年、夫婦そろって日本画の味わい深さに目覚め、長谷川等伯や狩野永徳、伊藤若冲や琳派の展覧会には必ず足を運んでいます。最近は展覧会だけではなく、京都にまで足を延ばし、智積院(等伯)や大徳寺聚光院(永徳)を訪れたり、伏見の石峰寺に若冲の五百羅漢やお墓を訪ねたりといった具合です。夜はもちろん季節の京料理とおいしい日本酒。
こんな「和」化の中で、昨年ついに梅の盆栽を購入してしまいました。ついこの前までは、まさか自分が盆栽に手を出すとは夢にも思わなかったのですが、、、。購入の理由はいたって単純です。下の写真を見てください。狩野永徳が聚光院襖絵に描いた梅の枝ぶりと、我が家の梅の盆栽の枝ぶり、少し似ていませんか。近くにある園芸店の盆栽コーナーで見かけ、「あ、永徳の梅だ!」と衝動買いしてしまった次第です。まだ入門したての初心者ではありますが、少しずつ枝ぶりを整え、聚光院の襖絵をめざそうと思っています。
そして学生諸君にも、私がこの歳になってようやく目覚めた日本文化の素晴らしさを、折に触れて、少しずつでも伝えていきたいと思っています。

1

2

狩野永徳 聚光院方丈障壁画のうち花鳥図 「ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典」 より転載

讃井 純一郎(共生デザイン学科)