MENU

教員コラム

2011.07.14 - 共生デザイン学科  人間共生学部 国際交流事業「ドイツにおける環境技術と産業、文芸、キリスト教の理解」を終えて

今年2月に、本学部の国際交流事業として、学生9名が渡独し、5日間の海外研修を行いました。本研修では、参加学生がチューリンゲン州のワイマールに滞在し、ドイツにおける環境技術と産業、文芸、キリスト教の理解を深めることを目的としました。訪れたチューリンゲン州は、歴史上の人物とゆかりの深い地です。マルティン・ルターは、16世紀にチューリンゲンのエルフルト大学で学んだ後、ヴァルトブルク城で新約聖書をドイツ語に翻訳しました。ヨハン・ゼバスティアン・バッハは、チューリンゲンのアイゼナハで生まれ、18世紀にライプツィヒ市の音楽監督となり、教会音楽を中心とした創作活動を行っていました。チューリンゲン州の中でもワイマールは、1918年までザクセン・ワイマール・アイゼナハ公爵の宮殿都市であったため、数多くの教育文化施設が存在し、世界遺産の文化遺産に登録されています。本研修では、この有名なワイマールを本研修の滞在地として選びました。

本海外研修の第一の目的は、本学の学術協定先であるTITK研究所(チューリンゲン州 ルードルスタッド)の訪問でした。学生達は、「日本の文化や歴史、状況」について各自の発表テーマを決め、英文スライドを準備しました。そして、ひとりずつ学生は、TITK研究所員14名の前で英語のプレゼンテーションを行いました。学生の努力が報われ、予想を超える活発な質疑応答となりました。発表を終えた学生達は、コーヒーブレイクの中でドイツの研究者らと楽しそうに会話をし、安堵と自信の表情を見せてくれました。さらに、TITK研究所の繊維とプラスチック、リサイクル、天然素材に関する研究室と実験施設を見学することが我々に許されました。学生達は、ドイツの先端技術を実際に見ながら、研究者から丁寧な解説を受け、その内容を深く理解することができました。

TITK研究所訪問の翌日からは、ワイマールのゲーテ博物館とバウハウス、ヘルダー教会、城美術館を見学しました。学生にとって、当時のドイツの生活や文芸、宗教を博物館で知ることができたのは、大きな成果でした。併せて、学生達は、ゲーテとシラーがルードルスタッドの町で出会い、互いに影響を受けながら創作活動をしていたことを事前学習で学んだうえで、その地を自身の足で歩きながら偉大な詩人達が暮らした環境を肌で感じました。このことも貴重な体験学習のひとつになったと思います。
本研修にあたり、多大なご協力とご指導を頂いたTITK研究所の皆様に深くお礼申し上げます。

 写真1 ドイツでのプレゼンテーション  写真2 ドイツでのプレゼンテーション
 写真3 TITK研究所でのコーヒーブレイク

佐野 慶一郎(共生デザイン学科)