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教員コラム

2022.01.18 - コミュニケーション学科  2021年度 4年ゼミ コロナ禍での国際交流活動実施

黒﨑ゼミナールのテーマは、「アメリカ研究」です。内容は、文学、歴史、社会、政治、経済などの多角的・学際的研究を通じて、アメリカ合衆国の総合的理解を深めるというものです。ゼミに所属する学生は、アメリカに興味があるということだけではなく、世界に目が向いています。例年多くの学生が、学科そして国際センター主催の海外研修に参加しています。ゼミ研修でもしばしば海外を目的地としています。また、ダブル・ディグリー・プログラムに参加している学生もいます。

2020年3月以降、彼らの海外渡航は制限されてしまいました。新型コロナウイルスによる感染症が世界的に拡大したことが原因です。学生でいる間に海外経験をしたいという願望は、ほぼ実現不可能となりました。多くの4年生にとって、この一年が学生でいられる最後の年です。

このような環境下でも、彼らはみんなで話し合い海外学生とのオンライン交流会を企画しました。交流の相手は、本学協定校であるニューカッスル大学(オーストラリア)のJapanese-English Clubの学生です。この大学とのダブル・ディグリー・プログラムに参加している本ゼミ生が仲介役を務めてくれました。

まず、夏期休暇中に、日本文化を紹介する動画作成をすることにしました。学生は神奈川県内の移動しか許可されておらず、鎌倉や江ノ島に撮影に行くことにしました。ところが、それさえも不可能となってしまい、やむを得ず写真を利用したパワーポイントを作ることにしました。クイズも交えたパワーポイントを作成し、英文原稿を書き、読み上げ等のプレゼンテーションの練習をして本番の10月19日に臨みました。

オンライン授業期間でありましたが、大学から許可を得て教室に集まり、めいっぱい緊張してプレゼンをしました。Japanese-English Clubも彼らの大学があるニューカッスルの街を動画と写真を使って案内してくれました。その後少人数のグループに分かれてディスカッションをしました。内容は主にお互いのプレゼンに関してで、特に食が話題になっていました。フリートークがどれほどできるか教員としては不安がありましたが、心配をよそに驚くほどの盛り上がりを見せ、予定時間を超過するほどの盛況でした。就職活動に追われて暗い表情をしていた学生が、楽しそうに英語で話している姿を見せてくれたのが印象的でした。オーストラリアの学生も楽しんでくれたようです。

オーストラリアは極めて親日的な国で、多くの高校で日本語の授業が開講されています。

ニューカッスル大学にも日本語専攻があり、Japanese-English Clubの学生の何人かは日本語専攻学生で、日本での留学経験があります。ディスカッションは英語と数名のオーストラリア学生が話す日本語の混合で行われました。

小さな国際交流ではありましたが、自分たちで考え、協力し、実行したこの企画は4年ゼミ生の学生時代の良き思い出の一つとして心に残ることを疑いません。