二宮 咲子

ゼミナールについて(その2)

2026.10.13

この夏休み期間から始まった、大学の枠を超えた自主ゼミの「風土ゼミ2026」について、今回のコラムでご紹介したいと思います。

 前回のコラムでは、私が大学生の時に所属していた4つのゼミナールのうち、2つのゼミナールのことについて書きました。そのことがきっかけになって、30年前の豊かな学びの日々を懐かしく思い出すようになっていました。

 そのようななか、北海道の大学に所属する研究仲間から、偶然にも、「卒業研究で映像制作に取り組む学生がいて、作品のテーマが“風土を聴く”なので、二宮さんが専門の環境倫理やローカルなデザインの考え方をぜひ学ばせたい」という言葉をかけてもらいました。そのときの私は弾むような気持ちで、「ちょうど私も“風土”について、今のデザイン教育・実践に照らして学び直したいと思っていたので、和辻哲郎氏の『風土』を読むゼミをやりませんか?」と提案しました。そして、その研究仲間が指導する学生は「自信は無いけれどやってみたい!」と言ってくれたのです(こういう飛び込む姿勢が素晴らしい!)。

 ここでふと、私は、ひとりの二宮ゼミ卒業生のことを思い出しました。彼は、今年の3月に関東学院大学を卒業後、国立大学大学院の研究生となり、先日、その修士課程に合格したため、来年4月から2年間、その大学院で研究活動を継続することが決まっています。現在、研究生として参加しているゼミでは、この春学期に初めての本格的な学術文献の精読を経験し、夏休み期間も自主的に文献を読み続けてレジュメを作成する自主練習をすると言っていたことを、思い出したのです。北海道の学生にとってだけでなく、二宮ゼミ卒業生の彼にとっても、同世代同士で刺激を受け合うことで、お互いの研究活動の良い学びの場になるのではないか、と思い、誘ってみました。すると、二つ返事で「ぜひ参加したいです!」と言ってくれた(この姿勢があればまだまだこれから伸びます!)ので、「風土ゼミ2026」は、学生ふたり、教授ふたり、時代は移り変わり、オンライン会議方式なので画面越しではありますが、4人で膝をつき合わせるようにして、スタートすることになりました。

 2026年7月7日と7月21日のお互いの研究紹介から始まって、8月7日、8月21日、8月28日、9月11日、9月17日の5回で、和辻哲郎『風土』と、オギュスタンベルク『風土としての地球』を、あわせて読み進めていきました。最後の2回では、私の研究仲間が3名ほど、「デザインの領域で風土論を学ぶ意義」について関心をもって、飛び入り参加してくださいました。

 ふたりの学生の夏休み期間の自主練になれば、という気持ちで始めた「風土ゼミ2026」ですが、「このままおわってしまうのはもったいない」という、私が学生の時に「風土ゼミ」恩師にかけていただいた言葉を、30年後の私が、同じように口にしていました。

「風土ゼミ」は、これからも続きます。

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