ケケ ケケ ケケ ・・・

最近の兼子ゼミは、「ケケ ケケ ケケ ・・・」
(笑い声が聞こえてきそうですね。)

昨年3月、「神奈川県立近代美術館の竹を編む」と題した竹をテーマとしたアートイベントを企画して、開催しました。
このイベントでは、「竹のビルディング・ワークショップ」の他に、竹に関する作品の展示・ワークショップ・演奏・カフェを集めたもので、まさに竹尽くし。体いっぱいに竹を感じて、竹の魅力と可能性、地域の環境とアートに想いを巡らせてもらおうという催しでした。
美術館の竹林から切り出した真竹を材料にして実施したビルディング・ワークショップでは、兼子ゼミの学生がサポートスタッフとなって活躍し、子どもを含む地域の方々との共同作業で、魚を入れる漁具の魚籠(びく)をイメージした巨大な構築物「巨魚籠(おおびく)」を見事に完成させました(写真1, 2)。

写真1 製作中の「巨魚籠(おおびく)」@神奈川県立近代美術館2025
写真2 完成した「巨魚籠(おおびく)」@神奈川県立近代美術館2025

できあがった「巨魚籠」は竹の素材としての特性を活かし、竹をしならせて丸みを帯びた緊張感のある形状を生み出すことに成功し、独創的な構築物になったかと思います。

「ケケ・・・竹」

その後も、夏の三浦海岸で、海開きに合わせて、また違った形状の「巨魚籠」を完成させました(写真3)。

写真3 海開きに合わせて制作した「巨魚籠Ⅱ」@三浦海岸2025

「ケケ・・・竹」

卒業研究(制作)では、竹のオリジナルの日射遮蔽装置をつくった学生もいます(写真4)。

写真4 卒業研究で制作した竹の日射遮蔽装置(縦型ブラインド) @大三島2025

「ケケ・・・竹」

2025年の兼子ゼミは、「竹」「竹」「竹」の竹尽くし。
まもなく、5月のゴールデンウィークには、再び「竹を編む2026」という竹満載のアートイベントを開催し、さらにスケールアップした「巨魚籠」づくりに挑戦する予定です。

まだまだ「ケケ ケケ ケケ・・・」続きそうです。

【参考】
「神奈川県立近代美術館の竹を編む」
(共催:神奈川県立近代美術館、葉山芸術祭実行委員会、関東学院大学人間共生学部共生デザイン学科)
◼️神奈川県立近代美術館のイベントページ
https://www.moma.pref.kanagawa.jp/event/20250320-20250323/

「竹を編む 2026」
◼️神奈川県立近代美術館のイベントページ
https://www.moma.pref.kanagawa.jp/event/20260425-20260517/
◼️葉山芸術祭のイベントページ
https://portal.hayama-artfes.com/event/?eid=e260000160

「巨魚籠(おおびく)」
設計・ワークショップ講師:兼子朋也(関東学院大学)、朝山正和(葉山芸術祭実行委員会)、日髙仁(関東学院大学)

 

アーティスト村「HIRAKU」での活動

横須賀市は老朽化した市営住宅をアーティストが住みながら創作活動をする場所にリノベーションし、芸術家村とするプロジェクトを2018年より立ち上げています。現在、誕生した「HIRAKU」(アーティスト村)には、複数のアーティストが居住し活動しています。
これまで兼子ゼミや、私の担当するデザインプロジェクトでは、継続的にこのアーティスト村のリノベーションや施設の整備のお手伝いをしてきました。

これまでの主な取り組みは以下の通りです。

2018年度:教室・ギャラリースペースの整備
2019年度:家具づくり
2020年度:ウッドデッキづくり
2021年度:工房棟のフローリング施工
2022年度:外壁施工、工房棟インテリアデザイン・家具制作、ウッドデッキ制作
2023年度:ギャラリー棟照明制作
2024年度:ウッドデッキの階段制作

ゼミやデザインプロジェクトを通じて、学生らは自らデザインした制作物(家具、照明、ウッドデッキなど)を苦労しながら完成させて、大きな達成感を味わっています。

ギャラリースペースの整備:ペンキ塗りワークショップ(2018)
作業台づくり:デザインプロジェクト(2019)
ウッドデッキ制作:デザインプロジェクト(2020)
完成したウッドデッキと棚、家具(2020)
外壁施工(簓子下見板張り):デザインプロジェクト(2022)
ウッドデッキの階段制作:デザインプロジェクト(2024)

シェアハウスの立ち上げから運営まで

共生デザイン学科では、大学の近く(横浜市金沢区や横須賀市)に存在する空き家を舞台に、学生がシェアハウスの立ち上げから運営にいたる様々な場面で奮闘しています。
シェアハウスの第一号物件は、空き家を使って、学生の発案で学生のDIYリノベーションによって学生が居住するためのシェアハウスとして誕生しました。その後も、空き家の再生・活用に関わる学生たちの活躍に心を動かされた地域の空き家所有者からの依頼や協力により、次々とシェアハウスが誕生しました。

■空き家を利活用して誕生したシェアハウスのリスト
「学生の学生による学生のためのシェアハウス」2015(写真1,2)
「留学生のためのインターナショナルシェアハウス」2017
「地域交流拠点のあるシェアハウス」2019(写真3)
「DIYできるシェアハウス」2021
「手ぶらで入居できる昭和レトロなシェアハウス」2023(写真4)

なかなか特徴も多彩です。
学生らは、どのような特色を持つシェアハウスにするかの企画から始まって、DIYによる改修や整備作業、入居者探し、シェアハウスのキャッチコッピーを含めたチラシのデザイン、完成後も庭掃除やメンテナンスなどの運営面でのサポート、あるいは実際に生活して共同生活を楽しみながらシェアハウスの運営ノウハウを学んだりというように、シェアハウスの立ち上げ(プロデュース、空間・インテリアデザイン、改修工事、入居募集、チラシ作成)から運営にいたるまで、実にたくさんことを体験しながら学んでいます。
入居に興味を持たれた学生(あるいは入学予定の方)には、空き部屋を案内することもできますので、兼子(neko@kanto-gakuin.ac.jp)までお問い合わせください。

【補】シェアハウスへの関わり方は様々です。
空き家の再生・活用を目指す有志団体「KGU空き家プロジェクト」での活動、「兼子ゼミナール」のゼミ活動や卒業研究、授業科目「デザイン・プロジェクト9」での実習、そして「居住者」などなど。
関わる学生の興味も様々です。インテリアや建築に興味がある学生、DIY作業や実際のモノづくりに興味がある学生、地域貢献やまちづくり・コミュニティづくりに興味がある学生などなど。

写真1 「学生の学生による学生のためのシェアハウス」でのDIY作業の様子

 

写真2 完成した「学生の学生による学生のためのシェアハウス」の共用スペース

 

写真3 「地域交流拠点のあるシェアハウス」でのウッドデッキづくり

 

写真4 「昭和レトロなシェアハウス」の入居者募集チラシ

デザイン・プロジェクトでフローリングと家具が完成

私が担当する「デザイン・プロジェクト」は「空き家の再生活用」がテーマです。実際の空き家を舞台に、学生たちが創意と工夫を凝らして活躍します。
今年度は、共生デザイン学科3年生が横浜市金沢区の「海の公園」近くの空き家をシェアハウスとした「海ちかスタジオ」で、フローリングのDIY施工とオリジナルの家具づくりを行いました。
このシェアハウスでは、1階の和室が地域に開かれた多目的のスペースに生まれ変わる予定です。まずは、畳からフローリングにする作業をDIYで実施します。写真のように、透湿防湿シートを敷いて、根太を並べ(写真1)、断熱材を敷き込み(写真2)、その上に神奈川県産のヒノキの無垢板をビスで固定していきます(写真3)。

写真1 透湿防湿シートを敷き、根太を並べる

 

写真2 断熱材(スタイフォフォーム)を敷き込む

 

写真3 ヒノキの無垢板(25mm厚)をインパクトドライバで固定する

慣れない作業で、はじめは恐る恐る作業を進めていきますが、徐々に工具の扱いもうまくなり、指示を待つのではなく、自分たちで考え作業できるようになっていきました。皆で協力し、最終的にはDIY作業であるものの本格的な素晴らしい床に仕上がりました(写真4)。

写真4 フローリングを完成させて集合写真

続いて、このシェアハウスで使用する家具(椅子・ベンチ)を製作します(写真5 , 6)。4種類の椅子、ベンチは、どれもオリジナルの設計で、いろいろと苦労しましたが、困難を乗り越え見事に完成させました(写真7)。

写真5 ベンチの製作風景

 

写真6 収納可能なベンチの製作風景
写真7 完成したフローリングと家具

学生たちは大きな達成感を味わったようです。自分たちの手による床と家具をいつまでも愛おしそうに撫でまわしていました。
新たなフローリングと家具が加わり、「海ちかスタジオ」は更に魅力を増したようです。この場所で、皆が集まる楽しいイベントを早く開催したいですね。