考えをカタチにする
淡野ゼミナールでは「考えをカタチにする」ことで得られる「気付き」をテーマに、モノやコトを具現化させる課題に取り組んでいます。本学は総合大学ですので美術大学のように入学前から専門的な技能を習得して入学される学生さんはほとんどいません。つまり技能的には初心者ばかりです。「実際にカタチにしてみたい!」「自分の手で表現したい!」という願望を抱いている人は多いと思いますが、いざそれを実現しようとすると尻込みしてしまう人も多いのではないでしょうか。
本ゼミではそういう気持ちを抱いている学生さんたちにこそ適したゼミナール運営を実施しています。具体的にはデジタルとアナログ両面での「考えをカタチにする」環境を整備しています。デジタル面ではレーザー加工機や3Dプリンターといったデジタルによる製造機器をゼミナール独自に所有し、ゼミ生であればいつでも利用できるようにしています。でもそうした機器をどう扱えば…と心配されるかも知れませんが、本ゼミでは3年生、4年生合同のグループ課題から始まりますので、既に習得している4年生と共に実施することで自然と理解が進みます。
またアナログ課題として、自らの手で制作する課題も実施します。手肌感覚が少なくなっている昨今であればこそ、こうした実習の必要性はむしろ高まっているといえます。ただ、こうしたアナログな課題は「不得意」と感じられる人も多いようですが、その多くは“単にあまりやったことがない”か、やり遂げる前に“途中でやめてしまった”というような人が多いようです。こうしたアナログ課題は、うまくいかなくても(恥ずかしがらず)頑張って完成させる、つまり、達成感をしっかりと体験することで「またやってみたい!」と思えるものなのです。何より具現化できる!という成功体験は自分自身の自信につながり、次はその表現をどう物事に活かすべきか、という事柄に気持ちが進んでいくものなのです。
そうしたデジタル・アナログ両面課題の中で、春学期(前期)と秋学期(後期)にそれぞれ1回づつ「基礎デザイン演習」でもご一緒している非常勤の影山先生を招聘し「革小物制作実習」を実施しています。本件については以前にもご紹介させて頂きましたが、今年度も同様に実施致しました。影山先生は私と同じ東京芸術大学の出身で革作品の個人ブランドを展開されておられます。
本実習は3・4年ゼミ生全員参加で実施します。3年生は「ペンケース」4年生は「スマートフォンショルダーケース」を制作します。4年生は3年時に春秋2回既に経験済みですので、やや難易度の高い、また自身の考えを反映する余白の多い内容になっています。制作したものが即自分自身の生活具になるとあって、学生たちの取り組み方(喰いつき)も熱心そのものです。あらかじめ提供された資料に基づいて各自がデザイン案(型紙)を考え、それをもとに制作します。デザイン案といっても、全体にわたる大きなデザインではなく、閉じる被せのカタチや、その閉じ方(革紐でぐるりと閉めるのか、バネホックというもので閉じるのか、等といった)を考える程度からはじまりますので、難易度はさほど高くはありません。
こうした制作は作業に集中するもので、静かな熱気がそれを物語るように学生皆没入していきます。具現化する手仕事にはそういう作用があるのです。「不得意」だけど「つくる力を身につけたい!」という人は是非私のゼミでこうした課題に取り組んでみてはいかがでしょうか。

グループワークによる「気付き」
淡野ゼミナールでは、考えたことを具現化する課題を中心に、各々が「気付き」を得ることをテーマとして、様々な課題に取り組んでいます。近年はゼミ生の人数が多いこともありグループワークを中心とした課題によるゼミナール運営を実施しています。その概要は以下の通りです。
春学期:
ゼミナールI・III(3・4年生)合同ゼミナールとして実施しグループワークで課題を企画・制作します。3・4年生共に同じ空間、時間を皆で共有して課題に取り組みます。最初は各学年内でグループ分けをし、次第に3・4年生混成グループというように、学年での垣根を無くし協力して課題を解決する力を養います。
秋学期:
ゼミナールII(3年生)はグループ課題も続きますが、基本個別課題中心になります。春学期の経験を活かし、ゼミ生同士で情報共有をしつつ、個々の発想を具現化させます。ゼミナールⅣ(4年生)は卒業研究制作中心になります。卒業研究制作は必修ではありませんが本ゼミナールにおいては可能な限り卒業研究に取り組むこととしており、これまでの集大成としてその成果に結実させます。
ゼミナール時間外課題:
ゼミナール時間外のグループワーク課題として、本ゼミナールが所有する専用機材(3Dプリンター(熱溶解積層方式と光造形方式の2種類)、レーザー加工機、各種木材等加工機器、その他)の修得と活用を目的とした制作課題にも取り組み、習得後は各自で自由に使用制作することができます。
ゼミナールは週に1回授業(100分)として設けられていますが、それだけではなかなか実制作課題に取り組むには時間が足りませんし、考える(企画)ことと制作、両方の指導も行き届きません。そうしたことからも、3・4年生合同、2限続きで実施することにより充実した課題制作と指導を行うことができます。
またゼミナールに入ったすぐに個別制作課題では、何をして良いか戸惑い、知恵も出にくいものです。そこでまずは同学年の仲間と知恵を出し合って課題に取り組み、そして、その後3・4年生混成グループにより垣根なく親しくなることで3年生は先輩に助言を求め、4年生は後輩に教える立場になり相互理解が深まっていきます。
学生たち主体のグループワークではゼミ生各自の自主性が培われるメリットがある反面、ゼミ生の誰かにのみ負担がかかることもあり得ます。そこで、そうしたことの無い様、役割分担等については毎週「日報(実施記録)」を提出させ、私(教員)の方でしっかり監督します。
こうしたゼミナールの取り組みは、結果として大学に来る理由がゼミ生各自に生まれます。グループ内で課題に取り組むための日程調整や進め方等工夫をしてゼミ日以外の日にもゼミ室に赴き課題に取り組むことになります。こうしたことによりゼミナール自体に活気が生まれます。目的があり、活気ある場所にはワクワクがあり、そのワクワクをカタチにしていく中から思いもよらぬ「気付き」は生まれるのです。
大学は専門的な技能を得る為だけの場ではないと私は考えます。多くの学びや体験をし、各自主体的に物事に取り組む中から「気付き」は生まれます。そのことは学生各自の独創性を引き出し、他の人にはない自分だけの力を得ることにも繋がります。
AIが席捲していく現代社会において、生身の私たち人間はどうやって生き抜いていくのか、AIにはできない、または他の人には真似できない自分はどのように構築していくのか、今、そうした課題が問われています。淡野ゼミナールでは、こうした「気付き」に必要なことは何か、そのことを念頭に授業プログラムを実施しています。

ものつくりの意義とは - 革小物制作実習 –
昨今の社会は情報中心で以前に比べると手肌感覚の通った物事に触れる機会が少なくなっているようです。淡野ゼミナールではモノやコトに触れる機会を多く持ち、その体験でしか得られない“気づき”を目的としてゼミナールを運営しています。どんなに技術が発達して社会が自動化したり簡略化していっても、人間一人一人が物事をよく考え、その結果自分たち自身で何かに気づき行動していかなければ物事は進んでいきません。そして願わくば、そうした物事は善なる方向に進んでいくことが望ましいでしょう。ささやかな営みを少しづつでも紡いでいく先には善なる方向が開けていきます。それは営みを紡ぐことでしかその一つ一つの営みの尊さは理解できないからです。手肌感覚が少なくなっている今だからこそ、こうした実習の必要性はむしろ高まっているといえます。
本学は総合大学ですので美術大学のように日々“制作漬け”ではありません。在籍している学生さんの多くは専門の教育を受けて来た訳ではありませんので、いわば初心者ばかりです。よく聞く「不得意」と言われる人の多くは“単にあまりやったことがない”か、やり遂げる前に“途中でやめた”というような人が多い様です。つまり、うまくいかなくても(恥ずかしがらず)頑張って完成させる、ということを何度か行えば、どんなに「不得意」だと思っていた人でも相応に上達し「またやってみたい!」と思うものです。何より具現化できる能力が身につくことで自信がつき、次はその表現をどう物事に活かすべきか、という事柄に気持ちが進んでいくのです。つまり実行の伴う問題解決力が体得されていく、ということなのです。
さて、本ゼミナールでは前述した通り多くの演習授業を実施しますが、その中で春学期(前期)と秋学期(後期)にそれぞれ1回づつ「基礎デザイン演習」でもご一緒している非常勤の影山先生を招聘し「革小物制作実習」を実施しています。影山先生は私と同じ東京芸術大学の出身で革作品の個人ブランドを展開されておられます。この記事が掲載されるころには秋の実習は終えていますが(執筆時はその前なので)春に実施した実習をご紹介しましょう。
本実習は3・4年ゼミ生全員参加で実施します。春に行われた実習では「ペンケース」を制作しました(ちなみに秋に実施するのは「スマートフォンショルダーケース」です)。普段は課題としての演習が多いのですが、革講習では実生活で即使用できる身近な小物ですから学生さんたちの取り組み方(喰いつき)も熱心そのものです。あらかじめ提供された資料に基づいて各自がデザイン案を考えてきたものをチェックします。デザイン案といっても、全体にわたる大きなデザインではなく、閉じる被せのカタチや、その閉じ方(革紐でぐるりと閉めるのか、バネホックというもので閉じるのか、等といった)を考える程度からはじまりますので、難易度はさほど高くはありません。大切なことは、紡ぐ様に地道にしっかりと作り上げる(完成)ことです。
作業がはじまると熱気に包まれ、皆でワイワイとはなりますが、ガヤガヤとはなりません。それだけ皆が作業に集中するのです。ものつくりにはそういうチカラがあるのです。学生は皆各々のライフスタイルがありますから、その生活の中で使用するシーンを想像して、その使いやすさ(機能性)を考えながら作っていきます。途中でうまくいかなくても、その場で教員が丁寧に指導し制作上の問題解決をはかります。こうして「不得意」と思っている学生さんも含め皆完成させることができました。この経験は必ず次に繋がっていきます。


気付きのデザイン
グラフィック・プロダクトデザイン分野担当の淡野です。
私は「気付き」をテーマに様々なかたちで研究制作を行なってきましたが、近年はその気付きを促すデザインとして、幼児用造形パズルとしての具現化を試みています。もう少し具体的な題目(テーマ)は「具体的だけど何でもない 造形の研究」としています。
パズルというと、ひとつひとつのピースが何かの生き物や乗り物などといった、具体的でよく知っている形をしている。または、ピースのカタチが何だか分からなくても、組んでいくうちに見覚えのあるものの写真になっていく、といったものが一般的ですよね。つまり“知っている”カタチや絵(画像)を楽しむおもちゃのひとつであることが理解できます。
私の考えるパズルはそこが少し違います。何やら具体的なカタチをしているのだけれど、あえて似てそうな“アレ”にしては特徴が違うな?というように、ひとつひとつのピースが具体的なカタチをしているのだけれども、何だかわからない、というように敢えてさせています。そんなカタチにすることで何が楽しいのだろう?と考える方も多いかと思います。無論、面白いかどうかは大人も子供も人それぞれですので、これは絶対面白い、と断定できるものではありませんが、考えさせる、ということを促すことは可能です。
私には現在幼い息子がおります。上の子は4歳、普通に会話ができるようになりましたが、まだまだわからないことだらけですから毎日毎度「なんで?」の応酬です。子供から見た世界は不思議なことで満ちています。それらをひとつひとつ確認しながら物事を理解していきます。
そんな幼い子供たちもやがて組織的な教育の中で、答えのある学びを習得する機会が増えていきます。そして、その回答に適切に答えられるかが問われるようになります。無論、こうした学びも大切ではありますが、そうした学びは同時に創造性や想像性が損なわれる可能性があります。
これはある程度仕方のないことで、例えば子供の描く絵は無秩序で自由、何の入れ知恵もない瑞々しいものです。しかし、絵を描く上での物の観方や描き方等を徐々に学んでいくと、やがて写実的で上手な絵が描けるようにはなるでしょうが、同時に子供の頃のあの瑞々しい自由な絵は描けなくなってしまうものです。
話を戻しましょう。
私が取り組んでいる「気付き」のデザイン。それを具現化させた「具体的だけど何でもないカタチ」のパズルは、何でもないのでそのものに答えがありません。遊ぶ子供たちそれぞれが、あれでもない、これでもない、と心に思い浮かべ想像を巡らせることで、それぞれが思う自由な答えを見つけてもらいたい、ということを目的としています。
実はこの「具体的だけど何でもないカタチ」。つくるこちらもかなり大変です。大人になると頭が凝り固まるので、自由なものをカタチ造っているつもりでも、どうも何かに似てしまう。。
答えを見つける教育を受けてきた弊害なのか、この「具体的だけど何でもないカタチ」を生み出すのはなかなか持って至難の技なのです。
そんな苦労を感じながらも未来ある子供たちのために何ができるか、日夜考え奮闘しています。

共生デザイン学科 淡野ゼミナールにおける成果や取り組みについて
淡野ゼミナールでは、デザインとアートを連関させた様々な課題を通じて、学生各々の潜在能力を引き出す取り組みを行っています。そこで今回のコラムでは、本ゼミにおけるこの1年間の取り組みや成果について、いくつかご紹介します。
日本マクドナルド、横浜市環境創造局との連携プロジェクトで『生物多様性』について考え、行動することを目的とした「マクドナルド トレイマットデザインコンテスト」(https://univ.kanto-gakuin.ac.jp/news/20211102-0001.html)は、本学科 佐々先生が主体となって実施されたプロジェクトの一環で、そのコンペティションになります。当該先生のゼミナールや担当授業の学生、又、淡野ゼミナールや二宮ゼミナールの学生も参加し実施されました。
私の専門分野はグラフィックやプロダクトといった、企画を具現化(表現や商品といったもの)するものですが、こうしたコンペティションにも積極的に参加し、ゼミ課題の一つとして取り組みます。こうしたデザインというと体裁を整えることに目が行きがちですが、本ゼミでは、こうした企画の意図、また、その目的を掘り下げることで見えてくる本質を突き詰め、どの様に表せば効果的に、また魅力的に自身が発するメッセージを他者に伝えることができるかを指導し、学生の考えを引き出した上で能動的に取り組める環境をつくります。
本コンペティションでは最優秀賞をはじめ4賞が設けられ、淡野ゼミの学生が最優秀賞を筆頭に、優秀賞の2賞を獲得しました。過去にもこうしたコンペティションでは各種入賞の成果をあげていますが、コンペティションにおいては結果を出すことも重要です。コンペティションの意味は「競技、競争」ですから成果を出すことで明確な自信が醸成されます。こうした経験は社会に出た後においても自信となりモチベーションの糧になります。
次に3年ゼミ生が現在取り組んでいる課題です。「関東学院大学開発の「ミラクルきなっこ」を含む有平糖を製造する(有)リキコーポレーションとのコラボレーション」という企画です。本企画は小田原を拠点とするメーカーと本学教授が開発した材料によって開発・製造された飴のパッケージデザインを淡野ゼミが取り組んでいるコラボレーション企画です。実際に市場に出るものですから、アイディアだけでできるものではありません。明記すべき必要事項や各種の許諾などを経て、デザインが成されます。学生にはアイディアを思いついた後、なぜそれらがデザインする上で必要かを問います。
デザインは単にかっこいい、とか、カワイイ、というだけで決まるのではなく、カタチ造られるそれぞれの要素がそこにあり、選んだ理由がなければなりません。本来デザインは仕事であり、その内容の対価(報酬)として、発注者への納得し得る出来栄えと共に、そのデザインとなった理由を説明できなければ報酬を得ることはできません。こうした取り組み(課題)は、デザインの技術を単に習得するだけではなく、その本質を見つめ考える大変良い学びの機会になります。
最後に紹介するのは、卒業研究の成果についてです。現在、卒業研究に取り組んでいる淡野ゼミの学生の一人は、地元である港街の地域活性として、以前は多く造られていた「大漁旗」をデザインし、その企画を中心として地域連携を模索した問題解決を卒業研究としています。一つのことから始まった本研究企画は、徐々に地域の人々を巻き込み、話題となり、多くの報道取材を受けることになりました。このように、メディアに取り上げられることで、より多くの人の耳目に触れ、提案で始まった事柄が、実際の成果として自分以外の多くの人々の利益(寄与)へと繋がっていきました。こうした積極的な取り組みによって、その熱意は多くの人への共感を生み、自分が想定していた以上の成果を生みました。卒業研究ではそうした成果をあげることもできるのです。
本学科に興味・関心をお持ちの読者の皆さんも、ぜひ本学科で学び、まだ実感していない自分自身の関心や能力を引き出しませんか。


株式会社三陽機械製作所との「金属加工による商品のデザイン・企画コンペティション」
本学科における社会連携の取り組みとして、昨年から行っている金属加工製造業を生業とする株式会社三陽機械製作所(東京 大田区)との「金属加工による商品のデザイン・企画コンペティション」を今年度も行い、淡野ゼミナールでは昨年に引き続き参加をしました。
三陽機械製作所は、下町ボブスレーの部品を作ったことで注目を集めた企業で、極めて高度な技術力を持っていますが、こうした技術をオリジナリティ溢れる商品として開発できないか、ということから始まったコンペティションです。
昨年は本ゼミナールの学生(当時2年生)が最優秀賞を頂戴し、また大田区による「大田のお土産100選」の奨励賞を受賞しました(https://www.pio-ota.jp/miyage/2019-item-04.html)。
今年度は「日用品」「幼児教育アイテム(知育パズルなど)」「キッチンウエア」の中からテーマを選択、主に金属を使用し当該企業の加工マシンで制作可能な商品をデザインする、として募りました。
今回は淡野ゼミナールと佐々ゼミナールが中心となって応募、淡野ゼミナールは今年度も最優秀賞を含んだ各賞3賞を受賞し、佐々ゼミナールは各賞2賞受賞しました。最優秀賞の企画は今回もまた商品化に向け、当該学生を含めた打ち合わせを今後重ねていきます。
共生デザイン学科ではこうした商品企画デザインに必要な基礎的技能を学習する授業も選択できます。特にアイディアを可視化する(相手に伝えるためにわかりやすくすること)ために必要なスケッチの技能を身につける演習授業もあり、絵心のない学生さんも十分他者に伝えるだけの力を身につけることができます。
問題を解決するためには、問題自体が何かをよく考え、その結果、必要な解決手段としての伝える力を身につける必要があります。皆さんもぜひ本学科で学び、こうした企画にチャレンジしてみてください。


ワークショップ「不織布を使ってミサンガを作ろう!」
淡野ゼミは、モノやコトを考え、それを表現として可視化させる(見えないことも含め見えるようにする)ことでこれまでにない気付きを体験することを目的としたゼミです。
去る10月13日(土)山陽印刷株式会社にて「不織布を使ってミサンガを作ろう!」というワークショップを実施しました。不織布とは繊維を織らずに絡み合わせたシート状の紙などの素材を言います。山陽印刷ではこうした不織布を使用して印刷機のインクをふき取るのですが、これらは全て廃棄物になってしまいます。そこでこの廃棄物になってしまう不織布を利用して何かできないか、ということでミサンガを制作し再利用するワークショップをすることになりました。
このワークショップは山陽印刷が主催する「会社まるごとギャラリー」というイベントの一環でこのワークショップの他にも多くの作家さんや周辺企業が参加して行われた文化事業です。関東学院大学は社会連携事業として地域社会との連携を多く行っています。こうした関わりは地域を活性化させると共に学生たちにとって多くの学びの場を得ることにも繋がっています。
当日は小さなお子さんからお年寄りまで参加いただき、活気ある楽しいイベントになりました。学生にとっても他者に教える、という普段にはない体験を通じて、わかりやすく相手に伝えるということの意味を学べたようです。
本ゼミではこうしたイベントの他にも企業とのコンペ(デザイン等の公募)やゼミでの表現活動を通じて、可視化や具現化(カタチにすること)を継続的に実施しています。体験することで得られる気付きによって進路や将来の夢に近付ける場を今後も展開していきます。


「いわゆる“デザイン”は勉強できるの? - デザインコンペにおいて最優秀賞を受賞しました – 」
本学科において「デザインは勉強できるの?」と受験生、入学生から多く問い合わせを受けます。無論、デザインと言っても多岐に渡りますが、問い合わせで質問されるデザインは、いわゆるグラフィックやプロダクトといった、モノを企画制作するデザインです。大学にはゼミナールという専任の先生による各専門の研究室があり、本学科では大学2年になるとそれらの研究室に希望を出し、配属されます。本学科は特徴として多種多様な専門研究室があります。その中で、私が主宰する淡野ゼミナールはこうしたグラフィックやプロダクトを含む、デザインからアートまでを包括する企画制作のゼミナールになります。
これまでは、本学科の卒業後の進路に関して、こうしたグラフィックやプロダクトといったデザイン関係に就職する学生は極めて少なく、学生自身もそうした前例から希望すること自体諦めている向きがありました。しかしながら、共生デザイン学科として2年目の現在、私も本学に着任して5年目、やっとデザイン関係の進路も増えてきました。これからはこうした進路を希望する学生の進路も含め、多様な表現や制作を実施できる環境をこれまでにも増して整えていきますので、グラフィックやプロダクトといったデザインについて学びたいと考える学生さんも是非、本学科で一緒に学んでみませんか?
さて、そこでひとつお知らせをさせてください。横浜を拠点とする大洋建設株式会社が創立50周年を記念して行った「工事のための仮囲いデザインコンペ」において、淡野ゼミ学生、都志見龍二君が最優秀賞を受賞しました。また、その他各賞も同様に本ゼミ学生が軒並み受賞しました。優勝賞金20万円ということもあり、大いにモチベーションを高めつつ、最高の結果を収めることができました。本学科において、こうしたコンペや企画提案について、授業やゼミに留まらず、積極的に取り組んでいます。

コンペ最優秀作品 神奈川県民ホールにおける表彰式後の記念撮影
淡野 哲(共生デザイン学科)