読める、読めるぞ!
2025年9月。ポルトガルのリスボンで開催された国際会議に参加した。
ポルトガルに行くのは十数年ぶり2回目だったが、ポルトガル語は全く分からない。少しだけ、ブラジルに行ったときのポルトガル語を思い出して、“Suco de Laranja, por favor”(オレンジジュースください。)くらいは記憶にあったくらいだ。
学会出張の5ヶ月前から、外国語学習アプリDuolingoでポルトガル語を選んで学習し始めた。Duolingoは毎日続けたくなるゲーム性がある。さらに具体的な海外渡航の予定が見えると俄然やる気が出てくる。このアプリは「書く」ことは殆ど上達しないが、くりかえし聞くためか耳にフレーズが残る。とは言っても、リスボン行きの機内のポルトガル語は挨拶くらいしか聞き取れなかったのだが。
うーん、アプリで勉強してもイマイチだったかなーと思いつつも、水やお菓子を買うためにコンビニに入ったら、商品に書いてある説明が読める!
それが何なのか、原材料は何か。
書かれているポルトガル語がただの文字列ではなく、意味を持った言葉として目に飛び込んできたときにはめちゃくちゃ感激した。スマホのカメラで読み込んでGoogleアプリで開いて翻訳するほうがずっと早いし確実なのだろうけれど、自分で読めたことの嬉しさは予想以上だった。アニメ「天空の城ラピュタ」でムスカ大佐がラピュタの碑文を読めたときの感動が少し分かる気がして、タイトルにそのセリフを借りてみた。「読める、読めるぞ!」
レストランのメニューも同じく、完全ではないものの意味がわかるものとして目に入ってくるのが嬉しいし、何より便利だった。
ただ、喋る方はまだ練習が必要だった模様。エッグタルト(Pastel de nata)と牛乳入りコーヒー(café con leche) を頼んだつもりが、コーヒーと紅茶(cha)の両方出てきてしまったのが今回のオチ。

一度も両替しなかったスイス出張
昨年10月、国際会議で発表のためスイスのベルンに出張しました。前回スイスを訪問したのはちょうど6年前、2018年の秋でした。当時は1スイスフラン=112円程度でしたが、それでもハンバーガーセットが12スイスフラン、1300円以上する!と慌てたものでした。
さて今回は円安の折、1スイスフランが170円。ハンバーガーセットが同じ値段だったとしても2000円を超えるわけです。両替して余ったらどうしようかと悩み、6年前に余らせていた5フラン、1フラン、1/2フラン2枚のコイン(1100円相当)だけを持って渡航してみました。
結果。全く現金は使いませんでした!
チューリッヒ空港からベルンまでは、スイス連邦鉄道のアプリにクレジットカード番号を登録してチケット購入ができ(https://www.sbb.ch/en)、スーパーはすべてクレジットカードのタッチ決済。ミネラルウォーター1本買うのもこれで済んだのでした。パン屋さんでパン1個2スイスフランを買うにもタッチ決済で行けました。
使う分だけをクレジットカードで使えたので、残金も出ずに一安心。とは言え、あらゆるものが高かったので滞在中はキッチンつきの宿でパンとハムとチーズ、ヨーグルト等を買ってきて食事にしていたのでした。

テクノロジーがつなぐ外国の言葉
「Talk to this.」
夜の台湾、瑞芳駅のホームで、駅員さんが差し出したのはスマートフォンだった。
赤いランタンで知られる、美しい街である九份をゼミ生たちと訪ねた後、私は台北駅からもう一度、九份最寄りのこの駅に戻ってきたところだった。落とし物があったのだ。
台北駅のインフォメーションでは英語が通じたし、私も中国語の筆談は少しできたので、幸い落とした物を見つけてもらったし、取りに行く旨を電話で伝えておいてもらうことができた。ホームに到着すると、駅員さんが一人待っていてくれたが、どうやら英語はあまり話せないようだ。一方、私は英語は話せるが、中国語はカタコト程度。そんな状況で、スマートフォンが登場したのだった。
「ホームのベンチで、黒いデバイスを落としました。それを取りに来ました」
余計な修飾語を省くことを意識して、単純な文章を口にした。翻訳された文章がすぐに繁体字で表示される。いったん奥に戻った駅員さんは、その「黒いデバイス」を持ってきてくれ、身振りで書類にサインするように示した。書類の細かいことを確認する度にスマートフォンが登場した。
話し言葉であれば音声認識、書かれた文字であれば写真の中から文字を認識して読み取り自動翻訳するサービスの発展はめざましい。意図どおりに訳してもらうためには、元の文をシンプルにしたり、訳文を見直したりする必要はあるけれど、思いがけない事態に外国語で対処するときには人工知能(AI)の支援は非常に有用だ。以前、マレーシアのクアラルンプールで急病で病院に駆け込んだときも症状を伝える英単語が思い浮かばなくて、翻訳アプリに助けられたのだった。
落とし物は無事に手元に戻ってきた。
「謝謝!」
ありがとう、という言葉はスマートフォンを通さなくても、言えた。この言葉だけは、多くの言語で覚えておきたい。


オンラインで知る公園、リアルで感じる広さ
みなさんは、公園のSNSを見たことはありますか?
折田ゼミ(2年・3年)では、秋学期に(公財)神奈川県公園協会(http://www.kanagawa-park.or.jp/)の方々とともに、公園のSNS発信について考えてきました。公式Twitterや公式Instagramを対象に、「大学生はどう感じるか」を評価しつつ、それぞれのアカウントの発信内容を考察。訪問にあたっての便利情報や、季節ごとの公園の風景、花や虫の写真などそれぞれに魅力的なコンテンツがありました。なにより、公園のSNSをリストアップすることで、「神奈川県にこんな公園があったんだ!」という発見がありました。
それらをまとめたところで、11月には神奈川県公園協会の方々にゲストに来ていただき、神奈川県内の都市公園の実態や情報発信について伺った後、ゼミの学生たちも自分たちの分析をプレゼン。それぞれの立場から、どのような情報を誰に対して提供していくか、といったことを討議しました。

さらに、その討議を踏まえてブラッシュアップした内容を、12月には情報通信学会次世代政策研究会で発表をしました。

そんなゼミ活動の中で、私自身が公園に行ってみたくなり、休日に横須賀市の観音崎公園(http://www.kanagawa-park.or.jp/kannonzaki/)に行ってみました。観音崎公園のTwitterは草花の写真も美しく、ホームページは海と灯台のダイナミックな光景です。
公園内のアップダウンがある坂道を20分くらい歩いて、広場に着きました。さらに、木々の中の道を下ったり、上ったり。ロングすべり台をすべって、また階段を息切れしながら上ったり。訪れたきっかけはSNSでしたが、この広さやアップダウンはSNSではわからず、現地を訪れてこそ感じたものでした。翌日は、全身が筋肉痛でした…


黒い画面に向かって話す
春学期の授業はすべてオンラインだった。秋学期、私が担当する科目は、主にオンライン(一部対面)で実施している。Zoomを用いてリアルタイムで講義をし、それを録画したものを閲覧できるようにしておくことで、自分の都合でオンデマンドでも受講できるようにしている。
オンライン授業によって、対面よりも明らかにやりやすくなったのは、受講生へのフィードバックだ。手書きのノートの写真を送ってもらい、それを手元のタブレットで表示したものに、タブレット用のペンで書き込みをする。書き込んでいる画面は、受講生に共有されている上、書き込み終わったファイルはすぐに受講生に送ることができる。また、Wordの校閲機能を使った添削の画面を共有してリアルタイムにそのやり方を見せたり、講義資料にペンで書き込みをしている画面を共有し、それを説明したりすることで、教室ではできなかった「投影資料に書き込みをする」ことも実現した。受け取るリアクション・ペーパーも、添削後の提出物も、良いものが提出されてきた。
しかし。
オンラインの授業では、受講生の顔が見えない。これは辛い。もともと、私は教室内をかなり歩き回っていた。スマートウォッチのセンサーで計測してみたところ、1コマで300kcalも消費していたことがあった。出席者の表情、目線、ちょっとだけ起こる笑いといったものを受け取って、それに対応する形で身振り、手振り、言葉を返しいていた。Zoomの授業では、これらが一切受け取れない。そもそも、カメラをオンにする学生がほとんどいないのだ。家庭から接続している学生が多い以上、プライバシーを考えると、カメラをオンにすることを強制はできない。ただ、黒い背景に名前が並んで表示されている画面に向かって、一人で話すのみだ。単指向性マイクを使い、声がクリアに入るように意識しながら。
Zoomのチャット機能や、メッセージングアプリの機能を使って、言葉でのフィードバックを得る試みを始めてみた。オンラインの授業でどこまで、互いのやりとりができるのか。教員側の本音も伝えながら、模索している。

バース大学の学会参加:死と共生について考える
2019年9月3日から8日まで、イギリスのバース大学で開催された国際会議に参加してきました。温泉が湧き出ることから、風呂を意味する”Bath”と呼ばれるようになったこの街は、世界遺産にも登録されています。
会議のテーマは”Death, Dying and Disposal”であり、「死」について多分野の研究者や実務家が約270名参加しました。
私は、” Victim’s Social Media on Television : Examining the privacy of the deceased” (テレビで放映される犠牲者のソーシャルメディア:故人のプライバシーを考える)というテーマの研究発表をしました。ソーシャルメディアの報道利用を巡って日本・米国・フランスの比較調査を行った結果、日本では報道に対して故人のプライバシーへの懸念などネガティブな印象が多く見られたのに対し、米国とフランスでは「より事件について知ることができる」といったポジティブな印象が多く見られました。
学会のセッションは多岐にわたるものでした。ドラッグ使用者と死について、緩和ケアの現場について、デジタル時代の死について、各国での追悼の状況についてなど、死をめぐる様々な研究や事例報告を聴講してきました。なかでも印象に残ったのは、ルーマニアの話です。不慮の事故で亡くなられた方の記念碑が、街のあちこちに作られているとのこと。写真と故人について書かれたプレートと十字架が設置され、道行く人は足を止めてその文章を読み、特に若者や子供であれば立ち止まって祈りを捧げるとか。冬にはクリスマスの装飾もなされ、街の中にふと故人を偲ぶものが共存している光景がありました。
共生ということを考えるとき、死者とともに生きること、そして死をどうとらえるかということも、同時に考えて行く必要があると痛感した学会参加でした。

幼な子たちを見ながら思うこと
8月から10月まで3か月の第三子の産前・産後休業をいただき、11月から復帰しています。もちろん、1年の育児休業を取る選択肢もありましたが、幸い受け入れてくださった保育園があり、産休のみで復帰しました。生後すぐの赤ちゃんを預けて仕事をすることについては、「もっと休みを取ればいいのに」というコメントや「育児だけだと息が詰まることもあるよね」というコメントなど、いろいろ声をかけていただいています。私にとっては、早く仕事に戻って子どもたちを育てるのが、もっともバランスが取れる形だと感じています。
年少、2歳、そして0歳の子どもたちを見ていると、それぞれのコミュニケーションの形の違いははっきりしています。年少ともなると、言葉でのコミュニケーションが主で、本人なりの論理性を持って親を説得してきたり、何かを思い出して自分の感想を述べたりしています。末っ子が生まれてからは、自分が頼りにされるのが嬉しいようで、下の子たちの面倒をみようとしています。
2歳児はまだ単語が多少出てくる程度で、いわゆる「イヤイヤ期」と呼ばれる第一次反抗期。自分で何かをしたい!という気持ちから、全身で強い意思表示をします。上の子のときの経験はまったく参考にならず、子どもはそれぞれの個性が強いのだなと思います。親には反抗しても、赤ちゃんはとても可愛がる2歳児は、相手によってコミュニケーションの形も変えていて、驚きです。
0歳児も、ちゃんとコミュニケーションします。新生児の頃は泣くだけだった赤ちゃんも、生後3か月になると人の顔を見てにこっと笑いますし、生後5か月になると、求めることによって泣き方も変わります。3人の乳児・幼児それぞれと相互にコミュニケーションをはかりながら、人は成長しながら人との関わり方を覚えていくこをと、改めて実感し、コミュニケーション学科の教員として、常に基本的なことを意識させてくれるなーと思いつつも、それぞれと意思疎通をはかるために奮闘する毎日です。

折田 明子(コミュニケーション学科)
何ができたのか・何をしなければならないのか
折田ゼミに所属する二名の学生が、関東学院大学功労賞(研究活動優秀者)を受賞しました。LINEの利用についてのアンケート結果をまとめた学会発表でプレゼンテーション賞を受賞し、そのことを評価していただきました。
受賞式の模様は既に大学のサイトに掲載されています(http://univ.kanto-gakuin.ac.jp/main/news/2016031701.html)私も当日は会場に伺い、受賞式を拝見していました。
功労賞はさまざまな分野での活躍を讃えるものです。ゼミの学生たちは2015年度で卒業でしたが、在学生の受賞者もおられました。
「賞をもらって終わりではない。」と、小山副学長が仰っていました。これまでに何を為すことができたのか、何が課題として残っているのかを明らかにして、さらに高みを目指して欲しいとのこと。これは大学教員となった自分にも強く響いた言葉でした。同時に、博士課程在籍中に恩師から「何を・どこまで・どのように明らかにするか」を何度も問われたことも思い出しました。
新年度が始まります。今までにできたこと、これから何をしようかということ。新入生の皆さんも、進級される在学生の皆さんも、そしてわれわれ教職員も思いを新たにする時期だと感じています。
折田 明子(コミュニケーション学科)
現代コミュニケーション学科、Twitterあります!
みなさんは大学からの情報をどのように得ていますか?
大学からのネットを介した広報・連絡手段はいくつかあり、これまでは公式ウェブサイト、Olive Campusからの発信が主な手段でした。昨年(2014年)夏からは、大学広報による大学の公式Twitter (https://twitter.com/kguofficial)が開始され、さまざまなニュースの他、台風情報などもTwitterで配信されるようになりました。
実は、現代コミュニケーション学科も、昨年よりTwitterアカウントを開設しています。学科公式の情報はこれまでどおりWebやOlive Campusですが、それとはまた違う角度から学科の様子をお知らせすることができればいいな、という目的で運用を開始しました。
しかし!こうした情報発信、思いの外難しいものです。私は「担当者その1」ではあるのですが、自分個人のアカウントとは違い、何なら発信できるのか迷います。これまでは、夏のオープンキャンパスをリアルタイムでツイートして展示を紹介したり、卒業祝賀パーティーの写真を載せたりしてきました。では、普段からみなさんが「おもしろい!」と思える情報とは?
少し思い切って、学科の日々のできごと、大学周辺のことなど、情報発信の機会を増やしていこうと思っています。みなさんからの情報提供も歓迎です。お気軽にフォロー、そしてリプライください。
リンク:
現代コミュニケーション学科 Twitter
https://twitter.com/KGU_GenComi
折田 明子(コミュニケーション学科)
ソーシャルメディアについて学んでいます!
私のゼミでは、インターネットを介して個人が情報を発信、受信、共有する「ソーシャルメディア」とコミュニケーションをテーマに研究を進めています。
無料通話アプリから始まったLINEや、実名を使いながらコミュニケーションをはかるFacebook、思ったことを140文字でつぶやくTwitter、じっくりと記事をかくblog、匿名性が高い電子掲示板など、インターネット上にはさまざまな発信ツールがあります。これらのツールを、安全に、かつ楽しく活用するためにはどうしたらいいのか、ということを、4年生および3年生のゼミで考えています。
4年生のゼミでは、コミュニケーション学科の学生を対象としたアンケート調査を行い、ソーシャルメディア利用における個人情報やプライバシーについて、「意識はしている」のだけれど、実際には「多くの情報を公開」しており、かつ、Facebookにおける情報公開のアイコンについては「正しく理解できていない」という現象が浮かび上がりました。では、どうしたらいいのか?もっとわかりやすいサービスやアイコンがあったらいいのでは?という提案を含めて、先日、情報社会学会の年次研究発表大会で発表してきました。
3年生のゼミでは、どうやってネットで情報発信をすればいいのかを考えています。関東学院のサイトを考察したり、時事問題についてソーシャルメディアごとの違いを見ていったりする一方で、ゼミのTwitterアカウントを作り、皆で実際に情報発信を試みています。…とはいえど、やってみると何を書けばいいのか難しいところ。学んだこと?日々のこと?ネットのリスクや安全についても学んできたので、慎重になることもでてきます。先日のゼミでは、ゼミのみんなで付箋をテーブル一杯に使いながら、「発信したいこと」と「読者として読みたいこと」と「発信しやすいこと」を整理して、みなさんに読んでもらえるTwitterでの発信について話し合いました。その結果は…? ぜひ、実際にフォローしてみてください。
ぺんゼミ@KGU
https://twitter.com/KGUoritako2
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折田 明子 (コミュニケーション学科)
