教員紹介

人間共生学部教員コラム vol.80

2011.09.08  中島 高史

パスカルに乾杯…大袈裟かな?

中島ゼミⅢ,Ⅳではコンピュータグラフィックスの研究の一環として、伝統的なヴィジュアルアーツの制作にCGを用いて作品の再現をする試みをここ数年続けている。プリンシプルとして制作過程の中間にあるプロセスのみのCG化を目的とし、始点のコンセプト、終点の表現は従来の表現形式を用いると言うことである。要するにプロセスをブラックボックスとして結果だけを見れば従来の制作方法で出来たものと区別がつかない訳である。
それでは何故わざわざCG化するのかという疑問が残ろうが、そこは今回問題としないことをご容赦願って結果をお見せしたい。
その前に、このゼミでは今まで、藤城清治流の影絵、「トトロの森」油彩版のピエゾグラフ、コンピュータ刺繍、シルクスリーン(実は「Tシャツ君」の多色版)によるユニフォーム作成、スプレーアート(これは型紙をコンピュータとレーザーカッターで作成する)、「ステンドグラスまがい」などの制作を同じプリンシプルに基づき数多くの試作を重ねてきた。
今回は昨年度の4年生が制作したタピストリーをご紹介しよう。
人間共生学部の4号館の裏に昔の女子短大の寮「ルツ館」と言うのがあってそこの旧食堂と厨房が共生デザイン学科のアトリエとして使われている。立派な正面玄関から入るとアトリエの手前にロビーがあるがそのロビーの1面が幅3メートル高さ3メートルの大壁である。この壁には装飾が皆無である。そこでこの壁面いっぱいにタピストリーを掛けて共生デザイン学科の存在感を強調しようと言う計画を樹てた。タピストリー(tapestry)は、壁掛けなどに使われる室内装飾用の織物の一種であり、通常はゴブラン織りで制作されるが、これを簡易化して白い布の上にプリンターで絵画を印刷して壁に掛けようと言うものである。近年プリンターでプリントできる布はいろいろ開発され市販されているが、問題は対象のルツ館壁が幅3メートルであるから3メートル幅のプリンター用の布があるかと言うことである。もしあったとしても幅3メートルのプリンターがあるだろうかと言うことである。我々の知っている幅広のプリンターと言えば最大64インチ(1600mm)であるから半分くらいの幅だ。と言うことはプリント用の布もこんなものだろう。さらに3メートル四方の画像を印刷するとなれば解像度を300dpi程度に抑えても、ファイルの大きさは3.5ギガバイトを超えるだろうからWindowsの32ビットのOSでは扱えないだろうし、他のOSでもファイルが重くて操作できないだろうなど考えていた。さて、どうしたか? 答えは勿論簡単で、皆さんの考えられたとおりである。即ち、パスカルが言ったように「難問は分解して解けばよい」のであって、幅3メートルのタピストリーを幅60cm長さ3 メートルの布に5等分し、別々に制作したものを剥ぎ合せたのである。これによりA1対応のプリンターをロール紙設定で使える。ファイルも1/5の大きさで済むから、これならどんなコンピュータでも処理できる。と言うことで勇躍、作成したものである。その写真を以下に示そう。

 

 

まずプリントされた60cmx3mの布同志を順次剥ぎ合せて行き、3mx3mのタピストリーにする。
出来あがった3mx3mのタピストリーの上端と下端を袋状に縫い、その中に物干し竿を通して壁に掛ける。
出来あがり。「ピース」!
お疲れさま。
ルツ館に見に来て下さいね。

 

 

中島 高史(共生デザイン学科)

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