教員紹介

人間共生学部教員コラム vol.46

2010.04.08  増田 奏

共生デザイン学科 増田奏<卒業研究>

―卒業制作について―

昨年度から、建築系の卒業制作指導を担当させていただいております。昨年度は当初3名と途中から
水沼先生のゼミ生1名も加わって、4名の卒業制作を無事終了しました。彼らの作品については既に
あちこちで紹介されていますので、ここでは作品写真を掲載するにとどめて、その解説はしません。
それより「卒業制作とそれまで(4年次春学期)の課題とは何が異なるのか」を考えてみましょう。

 

 

丸1年をかけて大作に取り組むのですから、通常の課題とはワケが違います・・・ということかな?
いえいえ、それは時間と量のはなしに過ぎません。決定的な違いは、条件設定をも自ら決めるという
点にあると、私は考えます。それまでは、与えられた条件のもとでデザインしなければならないのが
当然だったのが、卒業前の最後に「初めて」何もかも自分で好きなように決めていいのです。
これは嬉しく楽しいことのはずです・・・が、実は同時にたいへん苦しいことでもあるのです・・・
なぜなら、それは「自由の刑に処せられる」ということだからです。(経験すりゃ、わかります)
本校に限らず、卒業制作では多くの学生がそのスタートを切れずに逡巡するものです。その理由は、
提出まで先が長いからと考えられがちです。ところが迷走している学生をよくよく観察してみると、
スタート地点を探し廻っているだけで、なかなか出発しないことに気がつきます。出発のためには、
周到な準備を要するという先入観がこの優柔不断の原因だとおもわれます。
具体的にいえば、ビルディングタイプを決めて、敷地も決めて、規模も検討して・・・と準備万端で
出かけたいのでしょう。ですが、そんな旅が面白いはずがないと、私はおもうのです。

 

 

始めから指導した3名の出発は、極めて気軽でイージーなものでした。着の身着のままで行け!と。
集合住宅を計画したいNさんには、敷地や規模を決めてはならないことを厳命しました。
曲面を活かしたデザインをしたいK君には、敷地どころか用途さえも決めてはならないことを。
子供の空間を考えるはずのA君ときたら途中で旅先変更さえありましたが、心配はしませんでした。
とにかく出発しさえすれば、心配事も次々と決まって行く(行かざるをえない)のですから。
途中から加わったT君は、それまでに蓄えた重い荷物を背負って身動きがとれないようでしたので、
荷物を整理して必要なものだけを持って行くようにしてもらいました。

 

 

新入生の「居住環境デザイン論」の授業で毎年「モノづくりの優柔不断と決心」と題して、話と実験
をしているのですが、そのココロを解ってもらえるのは卒業制作が終わった時だろうとおもいます。

 

 

増田 奏(共生デザイン学科)

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