教員紹介

人間共生学部教員コラム vol.37

2009.12.10  栄本 和子

コミュニケーション学科 栄本和子ゼミナール

私たちのゼミでは、英語のドラマ制作を通してコミュニケーション力を磨いています。

現在、“コミュニケーション力”という表現は様々な場所で様々な用いられ方をしています。企業が社員に求める“コミュニケーション能力”は、ビジネスシーンにおいての‘折衝能力’、‘交渉能力’、‘説得能力’を指すでしょう。これは経済活動における専門スキルの1つですね。

では、“コミュニケーション”とは、根本的には、どういう意味なのでしょうか?
ラテン語の”communicatio”に由来しているこの言葉は「分かち合うこと」を意味しているそうです。

ということは、情報や自分の思いを伝えるだけでなく、相手から受け取る情報から、相手の心の状態を読み取り、共感するということも含まれるでしょう。情動的な「共感」を伴うということですね。
つまり、相手の言うことが、「わかった」で留まるのではなく、「わかった」後、行動に結びつけることが大切だということですね。
相手が自分の気持ちを受け止めて意図に沿った行動を起こしてくれた時、「分かってくれているのだ」と感じ、とても嬉しくなりますよね。ここで初めて、コミュニケーションが成立したと言えるのではないでしょうか。そして、それは結果として、問題の解決や目標の達成や夢の実現につながっていくのだと思います。舞台演出家の藤原稔三氏も次のように言っています。

「俳優が舞台の上で、セリフ、演技を最高の形で表現しようとして、その意識があまりにも強ければ自分中心の演技になってしまい、表面上は何か起こっているように見えても実際に舞台の上では何も起こらない。ドラマは起こそうとすればするほど何も起こらない。何がドラマに命を吹き込むのか?それは『コミュニケ−ション』である。コミュニケ−ションは、自分に意識を集中することではなく相手に意識を集中することから始まる。そしてそこに何かが生まれる。」

 

 

ドラマ制作は、多くの人間の共同作業によって、言葉・身体による表現、音響効果による表現等、あらゆる要素を総合させて作り上げていくものです。他の人たちとの“協力関係”や“共感”なしには成立しません。“協力の心”や“共感”というものは、身体と想像力を養って行く過程で徐々に備わってくるものです。

しかし、週に1度、授業で顔を合わすだけでは、ゼミ生同士、なかなか、「分かち合う」という経験ができませんし、共感の大切さ学ぶ機会が少ないのです。

 

 

そこで、3〜5泊のゼミ夏合宿では、朝・昼・夜の食事を自分たちで作ることにしています。予算を立てて食事のメニューを考え、買い物に行き、食事を作るのです。

買い物や食事の用意をしながら、シナリオ作り、英語の勉強、撮影法の学習等、沢山のことをこなさなければなりません。大変です。疲労がピークに達し、他のメンバーのことを気遣う余裕もなくなってくるときもあります。でも、それらを乗り越えていく中で、有るべき人間関係が生まれ、それが作品にもよい影響を与えることになるのです。

 

 

ゼミ活動としては、制作に入る前段階で先ず、即興劇(Improvisation)http://www.improjapan.co.jp/ のスキル(インプロ・シンキング)の基本ルールを通して、発想力・想像力や観察力・感応力、グループ内のチームワークの強化等、総合的なコミュニケーション力を学びます。

次に、シナリオを書いて、それを英語に翻訳します。シナリオのテーマをしっかり理解するために、徹底的にリハーサルをします。演じる方法も学びます。そして、英語の発音・アクセントなどをしっかり練習した後、いよいよ、撮影に入ります。

 

 

ロケーション日程の調整、ロケーション場所の確保、衣装・小道具の調達等、メンバーは何度も話し合います。撮影と同時進行で、編集作業もこなします。最後の仕上げとして、DVDやケースのジャケットも作成します。

 

 

↑過去のゼミ生の台本とDVDです。

 

 

栄本 和子(コミュニケーション学科)

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