教員紹介

人間共生学部教員コラム vol.189

2016.01.14 コミュニケーション学科 金子 義幸

ワークショップとゼミナール

いま貿易の自由化に向けてTPPが社会の関心を集めています。輸入品が安く入ってくれば、消費者は得をしますが、お客さんを外国に取られる生産者は困ります。社会の課題はある人にとってはプラスでも、他の人にはマイナスになるのが常です。社会的に大きな課題だけでなく、企業にあってもそのような課題は日常的に起きてきます。たとえば新商品を考案する場合、商品を作る人の意見だけではなく、売る人、買う人、使う人など複数の視点から企画しなければ、経営はうまくいかないでしょう。

 

このように答えがすぐには見つからない状況では、関わりのある人たちが問題を共有しながら多くの意見を比較検討し、答えを探すことになります。ただその場合、意見の違う人が単に言い合うだけで終わってしまうかも知れません。話し合うために集まった人たちが効果的に問題を解決するには、それなりの話の進め方が必要です。

 

本学では1年次からゼミナールが履修できます。それは少人数参加型授業としてよく知られていますが、私はこれまでワークショップ方式でこの授業を進めてきました。ワークショップは、学校や各種のイベント会場で実験や工作を体験することを指す場合もあります。でも、ここでは、ある課題に対して自分たちの意見を述べ合うだけではなく、参加者それぞれが情報を集め、みんなでそれらの意見を調整しながら知恵を出し合って課題解決に取り組むという経験を積み重ねる学び方を意味しています。

 

社会に出れば自分ひとりで解決しなければならない問題も確かにありますが、複数の人たちの知恵を上手にあわせるともっと良い解決につながります。仲間で共通のテーマを設定し、協力関係の中で情報を集め、他者の考えを注意深く聴き、その問題点や改善方法を一緒に考えます。視点を変えて他者の立場になって考えてもみます。個性を発揮しながらも、問題解決のために自分がやるべきことや考えるべきことは何かを学びます。

 

部活やサークルあるいは地域活動などで多方面の人との交流の輪を広げられますが、協力して共通の課題を達成する力を高める場はこのようなゼミナールが一番です。大学には、社会の課題解決力を身につける機会があるのです。かつてゼミナールに参加していた人たちが卒業後も毎年集まって、旧交を温めています。気持ちが一つになっていたからかもしれません。私も可能な限り参加させていただき、十年前の教え子たちの成長を楽しみにしています。これから本学に進まれる方々も、将来の大切な財産となる力をぜひ手にしていただければと思っています。

 

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金子 義幸(コミュニケーション学科)

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