教員紹介

人間共生学部教員コラム vol.115

2013.02.07  伊東 冬美

身近にある「フランス文学」

フランス文学と言いますと、私たちとは縁のない、遠い世界のこととお感じになるかもしれません。けれども、実は私たちはフランス文学と身近なところで暮らしています。

 

 

職を失った青年ジャン・バルジャンは、貧しさにあえいでいる姉とその子供たちに食べ物をもたらしたいという一心でパンを盗み、牢獄につながれます。そして、脱獄の失敗をくり返し、19年もの刑期を科せられます。
彼はつらい重労働にたえて刑期を終えました。しかし、世間の風は冷たく、前科のある彼に一夜の宿を貸す人間はいません。
空腹をかかえて村をさまよう彼に夕飯と寝床とを提供したのはミリエル司祭でした。ところが、心が荒れすさんでいたバルジャンは司教館から銀器を盗み出します。彼は、翌日、憲兵につかまり、司教館に連行されました。が、司教はバルジャンをかばって、銀器は彼に贈ったものと憲兵に言うのです。
罪をまぬかれたバルジャンは、司教を生涯の恩人と感じ入り、人間愛に目覚めます。それから、名を変え、事業と福祉活動に精を出し、市長に選ばれたのちには孤児コゼットを引き取って育てます。
しかし、彼に訪れた穏やかな生活はジャベール検事の登場で断ち切られてしまいます。検事は、前科のある人間は公職に就いてはならないという法律を盾にバルジャンに追っ手をかけます。
深い人間愛を持ち、善人となって社会に尽くすバルジャンと、法の番人として生きるうちに血も涙もない冷血漢となってしまったジャベール――二人の対決が山場となっているこの小説は、V.ユゴー作の『レ・ミゼラブル』です。

 

 

『レ・ミゼラブル』を映画やミュージカルの舞台でご覧になった方がいらっしゃるでしょう。
この小説のほかにも、A.デュマ作『三銃士』、サン=テグジュペリ作『星の王子さま』など、フランス文学には数多くの名作があります。そして、これらの名作は幾度となく映画化されたり、ミュージカルの舞台に乗せられたりしてきました。
ですから、それと気づかぬままに映画館や劇場で身近にフランス文学と接した方も少なくないでしょう。大学入学を機に、これらの作品を活字でお読みになり、さらに深くフランス文学と親しんでみてはいかがでしょう。

 

 

伊東 冬美(コミュニケーション学科)

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